電子書籍 写真集 『夜明け前』
Pubooで試した写真集の第2と第3弾。
縦位置写真は、大きすぎると、次のページに分割されてしまったりと、画像データの最適の大きさが、まだわかりません。横位置写真の場合は、それほど難しくはないようですが。
☆☆☆
アマゾンでキンドル版写真集を自主出版してみました。(2010/12/20)
Pubooで試した写真集の第2と第3弾。
縦位置写真は、大きすぎると、次のページに分割されてしまったりと、画像データの最適の大きさが、まだわかりません。横位置写真の場合は、それほど難しくはないようですが。
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アマゾンでキンドル版写真集を自主出版してみました。(2010/12/20)
電子書籍を自分で作って販売できるWEBサービス「パブー」で、写真集『Cell 大地の細胞』を作ってみました。
9ページだけで、「写真集」とも呼べない、たわいないものですが、どんなものか試す意味もあります。まずやってみないことには、良いのか悪いのかもわかりません。
このサービス自体、日々新しい機能が追加される発展途上であるようです。
現在、ファイル形式は、PDFとePubで、iPad、iPhone、Kindle、パソコンでも読む(観る)ことができます。
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アマゾンでキンドル版写真集を自主出版してみました。(2010/12/20)
『"TANADA"Jananese Rice Terraces』
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桃: ビーノ、あんた、さっきからじっと上を向いているけど、何見てるの?
ビーノ: やっぱりボクは、「上」を向いているんだね?
桃: 何言ってるのよ。上を向いているじゃない。
ボゾルグ: ビーノ、去年1年間、日本を放浪して、とうとう壊れちゃったかな。まぁ、元から壊れている犬だったけどね。
ビーノ: 桃もボゾルグも疑問に思わないの?
桃: 何をよ?
ビーノ: ボクが見ている「上」って、ほんとに上にあるのかなぁ、って。
桃: おバカね、ビーノは。上に見えているんだから、上にあるに決まってるでしょ。
ビーノ: さっきね、ボク、「上」が下に見えた夢をみていたの。
桃: あぁ、すごくうなされていたけど、そんな夢みていたんだぁ。てっきり、おやつのビーフジャーキーを、川に落とした夢でも見てるのかと。でも、夢でしょ? 変な夢はよくあることよ。気にすることないわ。「上」が下に見えたって、逆立ちでもした夢でしょ。
ビーノ: 違うの。体の感覚は、「上」は上、「下」は下なのに、見えているものだけが逆なんだ。空が下に見えていたんだよ。
さぶじい: ビーノさん。
ビーノ: 何? さぶじい。そんなにニコニコして。
さぶじい: いや、ビーノさんはすごいなぁと思いまして。
ボゾルグ: どうして?
さぶじい: 人間の常識を疑うような発想をしますからな。
ボゾルグ: それが、感心するほどのものかどうかはわからないけどね。
桃: 犬の特権ね。
さぶじい: 逆さ眼鏡って聞いたことがありますかな?
ボゾルグ: ないね。
さぶじい: 直角プリズムを使っている、上下が反対に見える眼鏡のことです。
桃: そんなのあるんだぁ。
さぶじい: これをかけると、はじめは慣れなくてめまいがするそうです。でも、そのうち慣れてきて、元通り、普通の生活ができるそうですよ。
桃: 考えただけで、クラクラして気持ち悪くなりそう。
ボゾルグ: 俺も、絶対かけたくないね。
桃: それは何のためにかけるの?
さぶじい: いや、これはメリットがあってかけるわけではなくて、心理学で人間の知覚や認知を調べる実験道具らしいのですな。インターネットには体験談もありますし、書籍も出版されています。でも、これはおもしろい話だと思いました。
ボゾルグ: どこが?
さぶじい: なぜなら、私たちは、目の前の空間が、上は上、下は下に見えるのは当然と思っていますが、考えてみれば、網膜に映ってる像自体は上下逆転しているわけですな。それを、脳がもう一度、さかさまに変換して、上は上、下は下に、「見せている」ということ。だから、逆さ眼鏡は、それを再々変換することになるということですな。
ボゾルグ: つまり? ・・・ 頭がこんがらがってきたよ。
さぶじい: カメラで撮られる像も、センサー上では上下逆転しているのを、あとで、ソフトが「回転」させてみせてくれるわけで、脳の働きと同じことではないですかな。だから、もともと初めから「上」を下に見るようになっていたとしても、不都合はないようですよ。
ビーノ: どっちでもいいんだ。
桃: 慣れというか、人間の適応力ってすごいわね。
ボゾルグ: そういえば、人の顔写真をさかさまに見せられると、だれだかわからないってことある。顔は頭が上、顎が下の状態で見慣れているので、なかなかさかさまではわからない。地図もそうだね。普段見慣れている「北」が上に描いてある地図に慣れていると、「南」が上になった地図は見づらい。でも、見慣れてくると、なんにも不都合は感じなくなる。
桃: そうかぁ。慣れているだけってことなのね。
ビーノ: だから、慣れは恐ろしいとも言えるんでしょ?
桃: 何だか、こういう常識を疑うって、他のことにも応用できそうね。たとえば、ここに写真があるけれど、上下逆に飾ったときも、美しいとか、いい写真だとか思うのかなぁ。
ボゾルグ: これも慣れないと、難しいよね。普通、木は地面(下)から生えていると思っているから、この写真は、なんだか不安感が漂う。
さぶじい: そういえば、ある写真家の先生が、こんなことを言っていましたな。逆にして見てもいい写真はいい写真だと。コンテストの審査では、逆にして見て判断したこともあったそうです。つまり、「常識」の中で写真を見続けていると、いいのか悪いのか、わからなくなる。だから「常識」から逃れるひとつの方法ではないかと、わたしはそのとき思ったのですがな。逆にすることで、写真を抽象絵画のような感覚で選ぶ、という・・・。
ビーノ: そんなふうにして写真の賞を決めたんだ。その写真家、いいかげんだね。
さぶじい: どうですかな。いいかげんと言われればそうかもしれませんが。逆に、見慣れている写真が、いいと思いやすい、ということでもあるかもしれませんな。
ボゾルグ: 親近感が沸くというか、安心するっていうか・・・。
さぶじい: その慣れを、いったん断ち切って、まっさらな目で見直すという意味では、いいかもしれませんよ。
ボゾルグ: とにかく、「常識」の中にいると、その「常識」がどういうものか、わからないってことはあるよ。そこから抜け出すヒントみたいなものはあるね。それは俺もわかる。
ビーノ: じゃぁ、ふたりが逆立ちして向き合ったら、相手の顔はすぐわかるのかな?
ボゾルグ: 試してみれば? めんどくさい。頭がおかしくなりそう。だいたいにして、ビーノが逆立ちしたら、耳が長く伸びて、お化けみたいになってしまうんじゃない?
桃: 頭に血が上って、それどころじゃないかもよ。
ボゾルグ: 「血が上って」じゃなくて「血が下がって」だろ?
桃: 何が何だかわからなくなってきたわ。
ビーノ: ところでこんど選挙でしょ? 候補者たちが、これでもか、これでもかって、顔を露出するのも、見慣れさせて、票を入れてもらう作戦なの?
桃: 見慣れてくると、確かに親近感はわくし、入れようかなぁという気持ちが起こるわね。
ビーノ: その候補者の本心を見抜くためには、どうするか? ボク、いいこと考えたよ。
桃: 何?
ビーノ: 逆さ眼鏡をかけて見たらいいんだよ。
ボゾルグ: それもいいね。でも眼鏡がなかったら、候補者の前で逆立ちして顔を見るんだね。
桃: ふたりとも、何馬鹿なこと言ってるの? 選挙権もないくせに。ビーノは、ソフトバンクの「おとうさん」とは違うのよ。「おとうさん」は立候補したけど。
さぶじい: みなさん、上下逆の写真ですが、これを「棚田」だと意識せずに、しばらく見続けていたら、いい写真に見えてきましたな。
ビーノ: あれ、ホントだ。すばらしい写真だね。
桃: ビーノ、どうせこの写真を撮ったあんたの飼い主の腕がいいといいたいだけでしょ?
ビーノ: ばれた? だって、写真をほめないと、ボクの飼い主、怒って、ご飯くれないんだもの。
(写真をクリックすると、大きな写真が現れます)
少しだけ空に明るさが感じられるようになったとき、それまで暗闇に沈んでいた棚田が浮かび上がってきます。
夕方とはまた違った早朝の空の色の変化。
(写真をクリックすると、大きな写真が現れます)
夜中、起き出してみると、天空に煌々と輝く月。
月明かりは、田ごとに流れ落ちる水に揺らいでいました。
誰も見ていないときも、棚田は黙々と生きています。
旧高柳町の、「棚田百選」に選ばれた棚田は3ヶ所ですが、これはその中のひとつ「花坂の棚田」です。
それほど大きな棚田ではありませんが、ここが好きなのは、棚田本来が持つ優しい曲線が残っていることです。
陽が落ちていく様子をじっと見ていましたが、かなり暗くなった頃、田んぼで何か動くものを発見。
なんだろうと、望遠で覗くと、どうやらオタマジャクシを食べているタヌキのようです。
いや、アライグマのようでも・・・。今、ペットが捨てられて野生化したアライグマが全国にいるとのことですが、これは違うでしょうか。
荻ノ島環濠集落。
駐車場に立っている説明書きによれば。
古老の伝承では、「もうぎヶ原沖の島」といわれたのが、いつしか「荻ノ島」になったという。
環濠集落は、外敵から水田を守り、貴重な水をエガワ(水路)で全戸に効率的に配る優れた方法だそうです。
今日で星峠もひと段落。毎朝棚田の撮影をして日中は図書館で原稿書き。なぜか集中できて筆が進みました。「ホテルに缶詰」というのはよく聞きますが、「棚田に缶詰」状態は、なかなかいいようです。
1時間半の時間差で、三日月が出て、太陽が出ました。
星峠、5回目の朝、というより夜中。
人工衛星が、西から東へ向かって飛んでいきました。軌跡が映っています。
月と棚田と人工衛星。
自然と人工との間にあるのが、棚田、ですね。
今回の写真は、けっこういい写真かなと自画自賛。
電線や道路や車や農機具など、あまり人工物を入れたがらない人がいますが、俺は違いますよ。
「道路が入ってしまってどうしよう」などと困っている(?)カメラマンがいましたが、「そんなに嫌なら、パソコンで消してしまえばいいでしょ」と思わず突っ込みそうになりましたが、喧嘩するのは不得意(しないという意味ではなく)なので、やめておきました。
棚田を「自然写真」と捕らえている人には「棚田」は「人工物」には見えないのかもしれません。
より大きな地図で 世界の棚田 を表示
まつだい星峠、4回目の朝。
ほんとうは、いったん石川県輪島市白米千枚田に2日間いってきたのですが、それは後回しにします。
それにしてもこの時期、こんなに天気に恵まれるのは、珍しいのではないでしょうか?
去年、来たときは、3日目には雨が降ったような気がします。
それで、予定では帰るつもりだったのですが、まだいます。
霧の中の月。だんだん夜が明けてくると、霧が底にたまり、雲海のようになってきました。
まつだいに来て3回目の朝、星峠の棚田は、また違った表情になりました。
前日のような霧は出ず、わずかに靄がかかったような状態でした。太陽は出ましたが、最初ぼんやりしたかんじで、6時を過ぎたころ、すっきり晴れて、暑くなってきました。
毎日違った棚田に出会えます。ここに「住み込んで」毎日写真を撮りたくなる人たちの気持ち、少しわかります。
でも、棚田を見渡す一等地、同じ場所にずっと車を停めている人たち、いったい何日滞在しているんでしょうか。まるでテント村みたいです。
こちらに、「星峠の棚田」のギャラリーを作りました。
http://asia-photo.sakura.ne.jp/oryza/oryza/japan/gallery/hoshitouge/index.html
こちらにも写真があります。
http://photo.campur.com/photo/japan/109-hoshitouge.html
まつだいの隣町、今は合併して同じ十日町市になりましたが、松之山の棚田へでかけました。
天水島留守原の棚田と、トンネル近くの棚田(下の写真。名前は特別ない)。
夕方、松之山温泉「ナステビュー湯の山」で一風呂浴びて、陽が落ちてから天水島留守原の棚田へ。
ここは、国道沿いですが、夜ともなると、ほとんど車が通らず、真暗な中での撮影。
真暗とはいっても、わずかに空の群青色が残っているので、風景が青っぽくなります。
カエルの大合唱を聞きながらの撮影でした。
「田毎の月」に挑戦してみました。
絵で描かれ、俳句で詠われる「田毎の月」はイメージなんです。全ての田に月が映ることはありません。月はひとつです。
ただし、自分が動き回ったり、長時間露光すれば、複数の田に映ることになります。結果的に、すべてに映るということにはなるかもしれません。でも、「同時に」ではありません。
俺はだから「田毎の月」は、観るものではなくて、体験するものだと常々思ってきました。
でも、写真を見てもらうとわかりますが、田んぼが遠い場合、複数が光ります。それは、田んぼの水が風で波立っていたり(この夜もそうでした)、ゴミや藻がいろんな角度になっているので、月に近い部分が光るわけです。
なんだか理科の解説ふうになってきたので、もうやめます。情緒がなくなります。「田毎の月」、それはそれで俺も好きなイメージなので。
毎日天気が良くて、いや、良過ぎて、月さえも強烈です。多少は薄雲がかかっていたほうが、もっと幻想的な写真になるかもしれません。
それと月齢です。三日月に近いほうが、空の明るさも多少あっていいと思います。
この朝は、霧も出て、太陽も出て、かなり「幸運」な条件だったのではないでしょうか。
長く滞在しているカメラマンたちも、ちゃんとシャッターを切っていたようだし。
幻想的なドラマを堪能しました。
鳩山さんが辞任したようですね。期待が大きかった分、反発は強い。沖縄の問題もそうでしたが。
★★★
星峠、昨日もいい天気でした。
午前8時を過ぎると、カメラマンたちもほとんどいなくなります。みんな霧と朝日を狙って来ているようです。
1時間ほど、また眠りました。
午後、周辺を歩いてみると、日中もいいところでした。(「いいところ」について後日、別な話があります)
一番上のほうに上ってみると、巨大なプールが出現します。まるで天上のプールです。
山へ通じる道では、野うさぎとばったり出くわしたり・・・。
新潟県十日町にきています。性懲りもなく、棚田撮影です。
ちょうど田植えが終わったところで、たくさんのカメラマンたちが、朝3時から高台に立って、朝日と(たぶん)朝靄を狙っています。
こんなに有名な棚田になるとは、10年前は想像もできませんでした。去年(一昨年?)のNHK大河ドラマのタイトルバックで使われたことも影響しているんでしょうか?
「棚田百選」には入っていないにもかかわらず、これだけ人気になるには、それだけの理由があります。
たぶん、東側に開かれていて、霧が出るからです。雲南省元陽の棚田もそうでした。東側を向いて、霧が出ます。
霧が出ると、一回として同じ風景にはならず、カメラマンたちは、もっといい霧の状態になるまで何度も通う、結果としてリピーターが増えるということだと思います。
げんに、カメラマンたちの中には、その朝、一回もシャッターを切らない人もいます。なぜなら、以前遭遇した朝日と霧の状態より、その朝は「良くなかった」ということなんでしょう。(もちろん、「良くなかった」というのは、本人の感性ですが)
良い感じの朝日と霧が出たら、自分の幸運を喜べます。まるで宝くじに当たったようです。その幸運を自分のものにできるかどうか。明日またトライしてみます。俺も、より良い光景に遭遇するために。
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