「犬旅写真」について (1)
岩手県遠野市宮守にいったとき、ちょうど秋祭りでした。(その写真はすでにアップしてあります。「犬の目写真」2010/10/07〉 山車が練り歩き、辻々で止まり、踊りを披露します。
そのとき、4人組の外国人が現れました。近くの工場で働いているフィリピン人たちでした。日本語はわからず、英語が片言です。
彼らと話をしているとき、「この自分の犬を入れた日本の風景を撮っているんです」と言ったら笑われました。どうも彼らは冗談だと思って笑ったようです。
じつは沖縄でも、外国人に同じように言うと、笑われました。日本人なら説明してわかってもらえるのですが、外国人だと言葉の問題もあり、細かいニュアンスが伝わりません。なので、自分の犬、プライベート写真を撮って商売になるはずはなく、この人、冗談を言っているんだろうなと思って笑ってくれるのではないか、と思います。
たしかに、「犬旅写真」は、プライベート写真と言えるのかもしれません。
自分の子どもの写真、自分のペットの写真、自分の旅の記念写真を、これでもかこれでもかと見せたがる人がいます。自分では「いい写真」だと思っているからなのでしょうが、とくに、「かわいいでしょう?」「きれいでしょう?」と同意を求められると、「かわいくない!」「別に」と言えず、拷問に近いものがあります。
プライベート写真を他人に見せるのは難しい。自分の思い入れが強すぎるほど、他人にはわからない、そういうことがあります。
それじゃぁ、自分の「犬旅写真」はどうなんだ?と聞かれたら、返す言葉もありません。ただ、内心では、自分のバカ犬の自慢を、わざとやってやる気持ちもあるのです。そのあたり、あまのじゃくな性格もあり、複雑です。
少なくとも、自分で「いい」と思わない限り、他人が「いい」と思うはずはありません。自分が「いい」と思うんだから、日本中探したら75人ぐらいは「いい」と思ってくれる人はいるんじゃないか。それに期待しています。
考えてみれば、「棚田」の写真だって、「俺はこんなにきれいな風景に出会ったんだよ」という、自慢が入っているのは確かなんですから。
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コメント
スコップさん
私の場合、商業写真と趣味の写真との区別もそうですが、プライベートかそうじゃないのかさえわかりません。
でも、自分で面白いと思ったことを続けるしかないんでしょうね。それが、たまたま売れるなら、それはラッキーなこと。時代のニーズや、タイミングは、自分ではどうしようもないです。
投稿: あおやぎ | 2010/10/21 22:45
自分はストックフォトに手を出しているのですが
いいと思った写真が失格になったり売れなかったり
写真が嫌いになりました。今はもちろんそんな事ないけど
商業写真と趣味の写真では違うという当たり前の
事をドライに理解するまでは本当に辛かったです。
自分でいいと思った写真が認められると撮った側と
して本当に嬉しいですね☆
投稿: スコップ | 2010/10/21 18:03