『龍馬伝』に見る「龍馬カップリング」
日本人がノーベル化学賞を受賞したことで、一躍「クロスカップリング」という言葉が脚光を浴びています。
俺たちの生活に密接に関わっている化学反応なのに、聞くまでは知らなかった。当然といえば当然ですが。今は、あらゆるもが細分化、専門化されていて、ひとりの人間がすべてわかっているなんてことはないんですね。
それはそれでどうかと思いますが、現実問題としてそうなんだから、「クロスカップリング」という反応を知らないといって生活に支障があるわけでもありません。
くっつかないと思っていたふたつのものを、触媒を使って結びつけ、新しいものを生み出す。そう考えると、長州と薩摩を結び付けて、新しい時代を作った坂本龍馬の仕事も偉業に違いありません。
『龍馬伝』では、長州と薩摩を結びつけるとき、龍馬が長崎の商人についてこんなことを言います。
正確なセリフは忘れましたが、それは、互いに敵でも、「商売」という一点で結びつく。それが商人というものだ、みたいなことです。そして「新しい日本を作る」という一点で、それまで敵対していた長州と薩摩を結びつけることにつながっていく。
これはまさしく「龍馬カップリング」といってもいいかもしれません。
結びつけるふたつが、違和感あるほど、難しいほど、くっついたときのインパクトは大きいといえるでしょう。我々も、「クロスカップリング」ほどではないにしても、日々、何かと何かを結びつけようとはしています。
ただし、全部が成功するとは限りません。ほとんどは失敗です。でも、数ある中には、価値のあるものも生まれているんだと信じたい。
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