門前仲町のおばあさんたち
門前仲町の成田山不動尊から富岡八幡宮へ抜ける途中に公園がありました。隣接するグランドでは少年野球。西日が当たってポカポカと気持ちがいい午後です。
ベンチに座っていると、地元のおばあさんがやってきました。茶色い犬を連れていて、向いのベンチに座ると、袋からパンくずのようなものを取り出して、鳩の方にばら撒きました。そのパンくずにたくさんの鳩が集ってきて、頭上を旋回します。糞を落とされるのではないかと気が気ではありません。
そこへ、もうひとりおばあさんがやってきました。ふたりは知り合いのようです。
あとで来たおばあさんは憤慨して何か言っているので、俺は文庫本から目を上げて彼女の言葉を聞いてしまいました。
「2、3日、テレビなんかつけてないわよ」
「どうして?」
「うるさくってしかたない。エビゾーよ、エビゾー。またかぁていうくらいエビゾーよ。もう見たかないわよ」
海老蔵が、このおばあさんを怒らせ、生活をかき乱している。すごい影響力だなと思いました。海老蔵の話がひと段落すると、おばあさんの話題は小沢元代表に移りました。
「国会で説明しないのはおかしいわよ」
「民主党どういうつもりなんだろうね」
「はやく決着つけてほしいわ、まったく」
ふたつの事がおばあさんたちを不快にさせ、血圧を上げているらしい。歳をとっても社会に怒っているおばあさんはきっと長生きするんじゃないかな。
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