中国映画 『鬼が来た (鬼子来了)』
中国映画 『鬼が来た (原題:鬼子来了)』を観ました。(ネタバレ注意)
監督: 姜文(ジャン・ウェン)
出演者: 姜文、香川照之 など
2000年のカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞した中国映画。日本では2002年公開。
「第二次世界大戦下の1945年。中国華北地方の万里の長城にほど近い村に住む青年・馬大三の元に、突然一人の男が現れ、馬に銃を突きつけながら2つの麻袋を預かるようにと脅して去っていった。その麻袋には日本兵と中国人の通訳が入っていた。村から日本軍の野営地まで程近く、日本兵を捕らえていると知られると村人達の命が危ない。日本兵と中国人の、奇妙な友情と悲劇を描く。(Wikiより)」
モノクロ映画で迫力もあり、おもしろい映画です。(最後の1分間だけカラーになります)
ある謎の人間に捕まえられた日本兵(香川照之)と中国人通訳のふたりと、村人の奇妙な友情。コミカルなシーンも多い。それが前半。
そして後半は、一転して恐ろしい内容になっていきます。日本兵たちが、ちょっとしたきっかけから、村人の虐殺を始めてしまいます。あまりにもリアルです。いままで村人と仲良くしていた兵士まで、村人に手をかけてしまいます。
日本兵の姿は借りていますが、この狂気は、どんな人間にも共通する危うさだと思って観ないとダメなのかもしれません。だから「反日映画」などという単純な映画ではありません。
普通に考えれば、「鬼」というのは、「日本鬼子=日本人」のことなのでしょうが、でも、もしかしたら・・・
日本軍のあとには国民党軍がやってきて、主人公、馬大三(姜文)は結局、この国民党軍の命令によって処刑されてしまうわけです。
この映画は、中国国内の上映禁止と、DVDなどの映像出版物の販売禁止の処分を受けたとのこと。どうして、この一見「反日」に見える映画が共産党から上映禁止の処分を受けるのか、ということです。
それは、去年吹き荒れた「反日デモ」と似たところがあるのかもしれません。「反日」を叫ぶ限り、当局は、あまり厳しく取り締まりません。でも、彼らが訴えたいのは、「反日」以上に「民主化」や「格差是正」かもしれません。
そういう事情を考えると、このタイトルの「鬼」とは、何を指すのか、ということが気になります。たぶん深い意味があるのではないでしょうか。
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