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2011/02/04

映画 『愛を読むひと』(The Reader)

110204
悲しい話ですが、いい映画でした。(ネタバレ注意!)

『愛を読むひと』(The Reader)は、2008年のアメリカ・ドイツ合作映画(英語製作)。ベルンハルト・シュリンクのベストセラー小説『朗読者』を、『めぐりあう時間たち』のスティーブン・ダルドリー監督が映画化。第81回アカデミー賞では作品賞を含む5部門にノミネートされ、ケイト・ウィンスレットが主演女優賞を受賞。

監督 スティーブン・ダルドリー
出演者 ケイト・ウィンスレット
     レイフ・ファインズ

第二次世界大戦後のドイツ。15歳のミヒャエルは、気分が悪かった自分を偶然助けてくれた21歳も年上の女性ハンナと知り合う。猩紅熱にかかったミヒャエルは、回復後に毎日のように彼女のアパートに通い、いつしか彼女と男女の関係になる。ハンナはミヒャエルが本を沢山読む子だと知り、本の朗読を頼むようになる。彼はハンナのために『オデュッセイア』『犬を連れた奥さん』『ハックルベリー・フィンの冒険』『タンタンの冒険旅行』といった作品を朗読した。
だがある日、ハンナは働いていた市鉄での働きぶりを評価され、事務職への昇進を言い渡される。 そしてその日を機に、ハンナはミヒャエルの前から姿を消してしまうのだった。理由がわからずにハンナに捨てられて長い時間が経つ。 ミヒャエルはハイデルベルク大学の法科習生としてナチスの戦犯の裁判を傍聴する。そしてその被告席の一つにハンナの姿を見つけるのだった。
Wikiより

ミヒャエルは、そのナチスの戦犯の裁判で彼女がユダヤ人収容所の看守だったことを知ります。

ほんとうは他の看守にも責任があったのに、彼女が大きく罪を被ってしまいます。それはなぜなのか?

印象的なシーンです。ユダヤ人たちが火災で死んだ事件の報告書を誰が書いたか(つまり責任者は誰だったか)という段になったとき、それじゃぁ筆跡鑑定をしようとなったのです。彼女の目の前に置かれた紙とペン。

ところが彼女は、書く事を拒み、「報告書は自分が書いた」と、罪を認めてしまいます。もしここで、自分は文字の読み書きができないことを告白していたら、罪は免れたかもしれないのです。でも彼女は、それを知られる恥ずかしさからか、そうはしませんでした。それで終身刑の判決を受けてしまうのでした。

何年かあと離婚したミヒャエルは、ハンナの元に本を朗読したカセットテープを送り始めます。彼女は、それを聴いて、本の文字を対応させながら、ひとつづつ単語を覚えていくんですね。刑務所の中の彼女には、それだけが生きがいです。『犬を連れた奥さん』の一節を書けるまでになりました。

模範囚だったからでしょうか、ミヒャエルが身元引受人になることで、出所できることになりました。そして、その日、ミヒャエルは刑務所に彼女を迎えに行くのですが・・・(ここから先は映画でどうぞ)

他の看守の罪までも被って守ろうとした「文字の読み書きができない」という秘密。ほんとうに恥ずかしさだけなんでしょうか。

まぁ本人にしかわからない、絶対譲れないものはあるはずです。(こう見えて、俺にもあります) ハンナは一本筋が通っていて毅然とした態度を貫く人でした。ここに人間の悲しさ、いや、でもある意味、美しさ、潔さを感じます。

ラストは、予想していたとは言え、やりきれなさが残ります。


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