風評被害は必ず起こることを前提にして考えないと
風評被害はないほうがいいにきまってます。でも風評被害が止まりません。もしかしたら風評被害は必ず起こるものなのかも。
ならば、風評被害は必ず起こることを前提にして、じゃぁ、起こったらどうするか、どうやれば最小限の被害で済むのか、それを考えなくてはならないのかもしれません。
風評被害を逆手にとって、直接ネットで売るという方法もあるでしょう。(実際やり始めている人たちはいます) 『風評被害ベジタブル』とでもブランドを作って売り出す。応援してくれる人は、全国規模で見れば、ぜったいたくさんいるはずです。何も「怖い」と言っている人を相手に卑屈になって売る必要もありません。そんな人には、こちらから「売らない!」と拒否すればいいんです。
外国では、日本全体が放射能に汚染されているようなイメージで報道されているそうです。食品だけではなくて工業製品も、敬遠されるような状況です。
中国では、海が放射能に汚染されて(?)、そのうち塩が手に入らなくなるからというので塩の買占めに走っているとか。
でも、俺はこれを笑うことはできません。俺もまったく同じようなことをやっています。
たとえば、ベトナムでSARSが、マダガスカルでチクングンヤ熱が流行ったときは、いち早く国外に出ようとしたし、(たしかこのときベトナムに渡航自粛の措置が取られたような気がします)、帰国したとき、親戚からは、しばらく来ないで欲しいと言われたこともあります。
実際は、そういう危険場所は局地的なものだし、外国に対しては「危険」に過剰反応してしまうというのは、どこの国民も同じでしょう。
だから今までさんざん他人の国に対しては風評被害で迷惑をかけておきながら、今、逆の立場になって初めて被害者の気持ちに気が付いているという状態です。
国対国の風評被害なら、言葉も違うし、しかたないなぁと思うところもありますが、国内でもそうです。
今は、「安全だ」と言われている農産物、畜産物、海産物も、「安心できない」からといって買いません。
これだけみんな「安心」を求めるということは、今は、「安心」を得られないということの裏返しだろうし、それはどうしてなのか?と考えると、人を信用できないから、ということに尽きます。
政府の言うことはもちろん(?)、ジャーナリストの言うことも嘘臭いし、専門家の学者さえ、おかしいぞと思うようなことを平気で言っていたりします。ブログやツイッターでは、素人が適当なことを言っています(俺のことか?)。
かといって、自分に確固とした考えがあるのかというと、それもない。じゃぁどうするか。「危険」の匂いがするものを片っ端から拒否していく。「安心」を得るにはそれしかない。
だから風評被害は必ず起こると考えておくしかないのかもしれません。「風評被害をなくそう」といくら叫んでも今は難しい。前提となる「正しい情報」がないんだから。いや、仮にそれが本当に「正しい情報」でも、受け取る側が信じないなら、意味がないんです。
信じるには常日頃からのお互いの関係がちゃんとしていないとダメ、本当にそう思います。震災前から信じられない政府の発表することを、この異常事態の中で信じろと言われてもしょせん無理です。
それと、やっかいなのは、「安心」を感じるかどうかは、人によって「感度」が違うということもあります。あとはどこで、「安心」だと納得できるか、個人的な問題なので、難しい。
俺はまったく産地を気にしていませんが、それは、風評被害に対抗しているわけではなくて、まったく個人的に、「感度」が鈍いからです。もともと発展途上国では多少の「毒」は当然あるし、きれいな水道水が飲めるところも少ないし、100パーセント、クリーンなものなどない、しかも選択の余地がない、それが発展途上国の常識だからです。
裕福な国民、余裕のある国民は、「安心」に対して感度が高くなるのは、当然のことです。選択の余地があるからです。言い換えれば「風評被害が出る」くらい日本はまだ余裕があるというふうにも言えるのです。
まぁ、これは言い過ぎかもしれません。そもそも日本を発展途上国と比べることに意味はない、と言われそうだし、実際風評被害で苦しんでいる人がたくさんいる中で、「日本人として」今の段階でこんなことを言うことは不謹慎だと言われそうです。
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コメント
Mr.SCHOPさん
そのフリーランスライターがレポートする内容も、写真やビデオも、その人の目を(考え方)を通したものだということをわかった上で、あとはその人を信じるかどうかですね。過去の仕事とか、日ごろの言動を見ていれば、なんとなく信用できそうかわかるということでしょうか。
投稿: あおやぎ | 2011/04/18 23:07
Twitterのように拡散しやすい媒体を使っていると
マスコミとは違った切り口でいろいろな情報が
入って来ます。フリーランスライターの方が
現地の様子を伝えてきて、テレビ新聞とはえらい
違いにショックを受けました。テレビ新聞しか
知らない人はテレビ新聞の限られた情報だけを
信じたり不安がったりしています。風評というのは
各個人が持っている情報の量にもよると思います。
Twitterは量を補うには最適です。いい加減な基準を
遵守するより、よっぽど信頼に足りると思います。
投稿: Mr.SCHOP | 2011/04/18 21:31