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2011/04/10

「海に恨みはないよ。俺たちは海でしか生きていけないから」

110410

犬の散歩へいったとき、3人のおばさんたちが世間話をしていました。

通り過ぎるとき、何気なく聞こえてきた会話に苦笑しました。

「私たちは幸せねぇ。ここには海もないし、山もないし、川もない」

ここは埼玉県南部。確かに海はないので津波はない。山はないので土砂崩れがない。川もないので洪水がない。だから幸せだというのです。

普段は、この3つがないことにコンプレックスを感じこそすれ、自慢できることではないのですが、大災害の直後では、こういう感想が出てきてしまうんですね。

でも、自然がどれだけ人間にとって大切なものか、今さら俺が言うほどのことでもなく、災害があるかもしれないけど、海や、山や、川がある土地は、やっぱりいいですよね。

石巻だったか、被災者のおじさんは、こんなことを言っていました。

「海に恨みはないよ。俺たちは海でしか生きていけないから、ここでまたがんばるよ」

さすがです。自然の美しさも怖さも丸ごと受け入れるこのおじさんのような人間が、本当の意味で「自然と共生している人」というんですね。

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コメント

TKOさん

ある有名人が、ツイッターで「危険なところなら引っ越せばいいじゃない」と書いていたのをみて、彼をフォローするのをやめました。
もちろん田舎を離れた俺が偉そうなことはいえませんが、彼は、郷土に対する愛情、愛着をまったく理解できないようでした。「危険」というものが、時に「自然」と同じ意味になることも、彼はわかっていないように思いました。
危険だけど、いや、危険だからこそ、そこに恵みもあるし、生き生きできるということでもあるように感じます。100パーセント安全なところなどないし、仮にあったとしたら、つまらない場所でしょうね。
ちなみに、有名人の彼の住まいは、東京の高層マンションです。

投稿: あおやぎ | 2011/04/18 10:45

私も「海に恨みはない…」と話したおじさんの言葉が印象に残っています。相手は自然、恨むもくそもなく受け入れるしかないのが現実。自然に比べればちっぽけな人間、上手に付き合うしかないんでしょうね。

投稿: TKO | 2011/04/17 23:18

>3人のおばさん達の見識も真実かもしれません。

そうだと思います。すごく正直だと思います。

今は、「幸せ」を感じるためには、「安心」が不可欠な時期。少なくとも、津波、土砂崩れ、洪水の3つの危険が取り除かれるだけで、より「安心」を得やすいということはあります。
それと、「安全だ」と言われても、関東産の野菜や魚を買わないという行動は、「少しでも危険なものは拒否すれば安心だ」という生活感覚からすれば、これも当然かもしれません。

ただ、地震はどこでも起こるし、交通事故や病気は誰でも・・・と、命を脅かすものを考えていくと切りがありません。

「安心」は、その人自身の感覚なので、一般化できないので混乱してしまいます。

投稿: あおやぎ | 2011/04/11 11:27

有る意味3人のおばさん達の見識も
真実かもしれません。でもそれはとても
狭い見識。家庭を守ってきた人達はそれでも
いいと思います。自分はどうかって言われると
ちょっと怪しいけど、もうちょっと違う気がする。
今、どんな言動をするかで人柄が出る時です。
自分にしか出来ない何か、そんな事を考えながら
へっぽこ写真を撮っています。フリッカーを見ると
写真を通して義援金をお願いする動きがあります。
それは決して外国の人に物乞いしているのでなくて
写真を通して日本の様子を伝えていると思っています。

投稿: Mr.SCHOP | 2011/04/10 18:29

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