東日本大震災の現場 (13) 気仙沼の魚市場
初めて気仙沼を訪ねたのは、2009年5月上旬のことだった。
港の美しさもさることながら、魚市場の活気ある姿は、気仙沼港が日本の遠洋漁業の基地のひとつであることを実感させた。また気仙沼は「フカヒレ」で有名だ。全国のサメ水揚げ量の9割を占める。
魚市場は2階が見学デッキになっていて、水揚げされたマグロや、サメのヒレを切る作業を見ることができた。作業員の手際の良さには感心したものだ。
4月25日の夕方、港へ向かったが、途中であきらめた。海に近いところは地盤沈下で、油と魚の腐ったような匂いを放つ、どす黒い水で覆われていた。水が引かないので港へなかなか近づけない。復旧の障害だった。
建物がありさえすれば街が成立するわけではない。人が住んで、そこでいろんな活動が行われて初めて「街」になる。
御輿は流されて壊れたかもしれない。でも、お祭りの意味ややり方が失われたわけではない。だから街は必ず復活できる。
後日、関東から土を運び、ここを埋め立てるというニュースを聞いた。これで復旧作業が進むかもしれない。
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