東日本大震災の現場 (4) 那珂湊の魚市場
茨城県那珂湊の魚市場を訪ねた。2年前の5月と、昨年は11月にも訪ねている。
那珂湊の魚市場は4月28日に再開した。この日(5月1日)はたくさんの客で大盛況だった。
「和風レストラン やまさ」は2階にあるので、他の店と比べると少し早く23日から再開できた。
「下の冷蔵庫で電気を使うので、冷房が使えないんです。すみません」と店員はいう。そんなこと気にしていない。那珂湊に来る客は、みんな魚市場が復活したことが嬉しいのだ。
地震の45分後津波が来た。沖にいた巡視艇から、確実に津波が来るという情報があって、みんな遠くへ逃げた。
品物、冷蔵庫、全部流された。駐車場は液状化で使えなくなった。建物が流されることはなかったが、水は1階の天井部分まで来た。
多くの客は聞く。「ほんとに津波がきたんですか?」と。それだけ以前の様子を取り戻したように見える。ただそのために1ヵ月半、市場の人たちはヘドロをかき出し、商品をそろえ、開店準備に奔走した。
「割と早く復旧できて良かったです」と店員は言った。
魚市場は明るい高揚感の中にあった。
俺はイカの塩辛を2瓶買い、海鮮丼を食べた。
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