東日本大震災の現場 (19) 海の上で咲く桜「津波桜」 (石巻市雄勝町水浜)
海岸や港はどこも地盤沈下していた。海水がひたひたと岸壁の上にまで流れ込んで、岸壁と海の境がわからなくなっていた。
石巻市雄勝町水浜の港も同じような状況だった。80cm近くは沈んだのではないだろうか。
近くに桜並木があった。岸壁は海に崩れていて、桜の木が完全に水没していた。そんな桜の木で、1本だけ花が咲いていた。
陸前高田の海に咲く桜よりも、もっと厳しい環境だ。根は完全に海の中なのだ。枝は海水面から伸びて、花を咲かせていた。
このギャップはなんだろう?と思う。うららかな春の日差しと桜の花。後ろを振り返れば瓦礫の山だ。
それでも異常な桜が「そんな桜もあったなぁ」と思い出になる日は、必ずやってくる。
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