東日本大震災の現場 (3) 飯舘村
相馬市から福島第1原子力発電所の事故で計画避難区域に指定された飯舘村へ。
飯舘村の役場のまん前にあるりっぱな運動公園には人っ子一人いない。いつもの年なら満開の桜を眺めながら子どもや大人たちが野球の試合でもやっていたのだろう。
翌日(5月1日)から1ヶ月以内に出て行かなくてはならない。
娘の住む町へ移住するというおじいさんは、静かに言った。
「何年になるかな。わからんな」
本当なら4年に1度の例大祭が神社で行われるはずだった。そのために桜並木の土も入換えて新しくした。
いったいどうしてここを出て行かなくてはならないのか、その憤りをどこにぶつけていいのか。村の人たちは、政府も東京電力もふがいなく、憤りをぶつける相手でさえないように感じているのかもしれない。
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