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2011/08/17

成田山新勝寺、おまえもか。これじゃぁ京都と同じ。

110817(↑ 津波で流された高田松原。2011年4月26日撮影)

陸前高田の松を京都の「五山の送り火」で使うかどうかですったもんだしたあげく、取りやめになったニュースの続報です。

それまでの経緯については前の記事をどうぞ。

「被災松送り火 “不安の声”で中止」 ひどすぎる話(と、最初は思っていたのですが) 続報8月15日

そこで成田山新勝寺が、来月の「おたき上げ」で、陸前高田の松の表皮を削ってまで使うと宣言し、成田山新勝寺はさすが、冷静な判断で大人だなぁと感心したのでしたが、今日のニュースを聞いてがっかりしてしまいました。

「成田山新勝寺。おまえもか」

やはりクレームが来て、「放射性物質が出てもやる」といっていた前言が翻りました。「検査で放射性物質が検出された場合は、松の木の受け入れは中止するとしています」(NHK NEWS WEB http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110816/t10014949951000.html )

もう、やらなくてもいいですよ。

陸前高田の人も、もういい加減にしてくれと思っているはず。周りで「美談」を勝手に作り上げられ、結局、放射性物質を盾にとり、「やらない」というくらいなら。今度断られたら3度目ですよ。立ち直れません。俺が当事者なら、この時点で断ります。

クレーマーたちが無知で冷静な判断ができなくて、中止を求めることは、ある意味、しかたないことだと思いますが、むしろ俺は、そのクレーマーを説得できない宗教家に対して腹が立ってきます。そこを説得してみんなの心をなだめるのが宗教家の役目でしょうが。微量な放射能に右往左往して、もっと大切なものがあることを主張できない自信の無さ、悲しいですね。クレーマーに屈してしまうのは、残念なことです。

バランスをなくしたクレーマーにかき回されるのはたまりません。この人たちにとって今「放射線量」が問題のすべてなのでしょう。今までどこか遠い世界の話で、まともな知識もないんだから怖がるのはわかるし、少しでも危ないと感じたら遠ざけたいと思うのも、当然です。とくに子どもを持っている人たちなら。

でも冷静に考えてください。そんな微量を燃やしたからといってどうなるんですか? もし嫌なら、現場に近づかないですむ量でしょう。そもそも、成田の空気がそんなにきれいだとは思わないし。

とは言っても、ここまでくると、もうこれは科学ではないのかもしれません。いくら「安全」といわれても不安だと感じる。不浄観というか、考え方というか。「微量」でもダメ、「ゼロ」でまければ。いや、「マイナス」でなければ。

成田もまったく京都と同じ距離だったんですね。陸前高田と京都の距離、陸前高田と成田の距離。それを考えたとき、すくなくとも成田の方が近いし、実際被災県でもあるので、気持ち的にもっと陸前高田の人たちと近いのかなと思っていましたが、違っていたようです。(平泉では陸前高田のがれきの一部は問題なく燃やされました)

危険なことは、放射性物質だけではないし、そこに100パーセント囚われてしまっては、放射性物質の放射能という物理的な影響ではなく、イメージにすでに負けていることになってしまいます。

今、日本人は放射能に対する考え方の戦いの途中でもあるんでしょう。世界中には日本よりも放射線量が高いところで暮らしていて、ぜんぜん平気なところもあるんだし、日本はこれから先、放射能と付き合っていくしかないんです。そのうち落ち着いて考えられる日がやってくることを期待します。

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