中国のニュース 「ひき逃げ2歳児、18人見て見ぬふり 人心荒廃嘆く」と言うが・・・
中国のこんなニュースがありました。
中国:ひき逃げ2歳児、18人見て見ぬふり 人心荒廃嘆く
(毎日.JP http://mainichi.jp/select/world/news/20111019ddm007030125000c.html)
この中で、
「「物質的に豊かになった半面で人心が失われた」「社会の道徳心は地に落ちた」との嘆きが中国全土に広がっている。」
とか、
「「発展とともに私たちの社会の中に(面倒なことに関わりたくないという)計算や欺く気持ちが広がっている」と社会道徳の崩壊を嘆く声が圧倒的多数を占めた。」
とありましたが、こういうことは1980年代からありました。今に始まったことではありません。中国では「トラブルに関わらない」が処世術です。むしろ最近はマシになったのではないかと思うくらいです。
俺が実際に経験したのは、事故車を横目に通り過ぎるバスです。これは何度も。80年代に旅行したことのある人は、みんな体験していると思います。事故は少なくなかったし、5、6時間のバスでは1回は事故を見るくらいに多かった。
そんなとき、バスを止めて、事故を起こした人を助けたことはありません。「どうして停まらないんだ?」と不思議だったですね。
ただ1度、こんなこともありました。
事故があったところでバスが止まったのです。(運転手が助けようとして止まったかどうかはわかりませんが) そのとき乗客が事故の男たちに何か言いました。すると、事故の男たちの何人かと言い争いになり、スコップを持った2、3人が車内に乗り込もうとしました。それであわてた運転手は急いでバスを出しました。
このとき、乗客の男が何を言って事故の男たちを怒らせてしまったのか、いまだによくわかりませんが、あのまま乗り込んできたら、きっと流血騒ぎになったと思います。それだけ激しかった。
このときは正直、「早くバスを出せ」と俺も思ったくらいです。
この事件は例外としても、トラブルに関わらないほうがいい、「話せばばわかる」ということが通じない荒々しい雰囲気は昔からあったし、それは「物質的に豊かになった」という理由とはあまり関係ないかもしれません。
これで大騒ぎしているけど、だったら、チベット問題、イスラム問題はどうなんだ?と中国人たちに聞きたい。もっと大きなトラブルには目をつぶり、目先のトラブルでごまかす、ということも昔から何も変っていないんじゃないでしょうか。
もっとも日本でも、電車でトラブルに遭っている人に気が付かないふりをするということはよくあることで、中国人ばかりを非難できません。程度の差こそあれ、トラブルに巻き込まれたくないというのは、誰にでもあるものではないでしょうか。
「人のふり見て我がふり直せ」
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コメント
こういうニュースを聞くと、こんな場面はいっぱいあるはず(いっぱいあったはず)なのに、わざわざニュースにすることで、いかにも「特殊な例」であるように感じさせてしまいます。そこが狙いなのかもしれませんが、よくわかりません。
「社会道徳の崩壊を嘆く声」には笑ってしまいます。これを読むと、いかにも昔の中国は良かったかと誤解しかねません。
もちろん、すべての人ではないですが。俺も田舎を旅しているとき、トラブルに巻き込まれたとき助けてもらったこともあります。トラブルに関わっても助けてくれる中国人もいることは言っておきます。
投稿: あおやぎ | 2011/10/21 10:31
私もテレビで見ましたが、ショックと言うか、何とも言えない気分になりました。おっしゃる通りチベットやウイグルの問題はどうなんだと聞きたくなりますね。
一方、残留孤児問題を思い出しますが、満州(?)で終戦直後に日本人の子供が中国人に引き取られて育てられたようですが、あれは人道的見地からなのか、はたまた子供がいない中国人が単に子供が欲しかっただけなのか…なんて疑問に思ってしまいます。
投稿: TKO | 2011/10/20 13:22