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2011/11/12

先日のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の記者会見を見て

111112(↑ 写真はラダック・レーの王宮)

先日、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の記者会見を聞きました(自由報道協会 のネット放送で見ました)。おもしろい会見でした。

脱原発だと「貧富の差広がる」 ダライ・ラマが記者会見で述べる (J-CAST ニュース 2011/11/ 7 )

印象的だったのは、ダライラマの自然体の会見。質問者が質問中に持病用なのか薬を飲んだり、話を聞いてなくて知り合いなのか奥の人間に手を振ったり。そこがまったく肩苦しくなくて良かったですねぇ。

とくに良かったのは、誰かがチベット問題について質問したとき、

「チベットに実際自分で行ってみて考えてください」

といった意味の答えをしたんです。それを聞いて「私の言葉、意見ばかりに頼らないで」という意味に聞こえました。さすがだなと思いました。

原発から20km圏内の残された動物の写真を見せたジャーナリストもいたようですが、

「常に物事は全体を見るべきで、一面だけを見て決めるべきではない。破壊的な目的で使うものは、破壊的なものしか産まない」

と答えています。安易に「動物愛護」や「生き物の権利」を説いたりしないのもいいですね。

この会見全般に言えたんですが、ジャーナリストたちの中には、ダライラマの「お墨付き」を欲しがっているように見える人もいました。

尖閣諸島問題とか、TPP問題とか、日本の原発問題とか、答えられるはずがないじゃないかと思える質問を、あえてするジャーナリスト。厚顔無恥というやつですか。こういう「平和の象徴」を利用して(あわよくば同意を得て or お墨付きをもらって)自分の意見を正当化したいんだろうなと思いましたが。ジャーナリストたちの魂胆を見抜き、適当にあしらうところなんか、小気味良かった。ステキです。

「チベットに実際自分で行ってみて考えてください」というダライラマの言葉は、ジャーナリストを再教育しているようです。誰もがノーベル平和賞を受賞している「平和の象徴」であるダライラマの御宣託が欲しくなるのはわかりますが、ダライラマが、すべて「本音」を言っているはずがありません。(政治的な配慮は当然あるだろうし)

ジャーナリストなら、ダライラマさえ疑うべきで、最終的には自分で現場に赴き、自分で判断するということが必要なのです。

「平和の象徴」であればあるほど、世界に影響力があればあるほど、自分の力を自覚しなければならないわけですが、その点、ダライラマという人物はちゃんとわかっているんだなと感じたし、だから信頼できる人物だなと感じました。友だちになれそうです。

ダライラマに対して、ずいぶん「上から目線」だと非難されるかもしれませんが、ダライラマも一人の人間であるにはかわりがないし、一人の人間であるからこそ、人間味もあって愛されるキャラクターにもなっているんです。肩書き「ダライラマ法王」だけで見ないというだけです。

あえて「ラマちゃん」と呼びたくなるような人物でした。

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