「聖地巡礼」 探すことの面白さ
先日NHKの「クローズアップ現代」で「聖地巡礼」についてやっていました。
最近、地方を舞台にしたアニメや漫画が流行していて、その舞台、ロケ地になった場所を巡るファンが多くなっているという話です。
一見マニアックな話題なのですが、でも馬鹿にできないのは、その数なのです。ひとりふたりなら、単なるマニアで済まされてしまいますが、千人単位の人が訪れるということは無視できないムーブメントです。
そこに目をつけた地方自治体が、その街のシーンを入れたアニメを製作しているそうです。「聖地巡礼」で多くの人を呼び込もうという作戦です。「ゆるキャラ」の次が「聖地」でしょうか。地方活性化のカギは。
ぜひ誰か棚田を扱ってほしいですね。棚田の曲線の特徴から、「あぁ、これは@@@の棚田だな」とか、わかってしまう俺もマニアックですが、棚田活性化には効果がありそうです。
棚田ではありませんが、西武線沿いのアニメが製作されたそうで、少しだけ紹介されましたが、すぐ、宝登神社とロウバイ園はわかってしまいました。もっと難しい場所も入れてほしい。(あとでこれは『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』だとわかりました)
でも、「あざとさ」がばれると、「聖地」にはなりません。特に筋金入りのマニアにとっては。
誰も気がつかないものに面白さを見つけるのがマニアです。それが最初から答えを準備されて、「さぁどうぞ」と差し出されても、犬じゃあるまいし、それに乗っかるほどマニアは愚かではありません。
そこに「聖地」作りの難しさがあるのではないでしょうか。どうやって「探すことの面白さ」を持たせるか、です。
そうそう、ある犬の本に、たしかこんなことが書いてあったのを思い出しました。
犬は探すことが好きだけど、探したとたん、興味を失うことがあるそうです。この話を読んで犬だけじゃないな、俺もそうだなと思いました。
目的物そのものよりも、探す過程が面白い。たしかにそうなのです。
雲南の少数民族、メコンの源流や河口、棚田百選。今まで取り組んできた旅のテーマをあらためて考えてみると、そこに共通するのは「探す」こと、と言うこともできます。
こんどからは、「旅」でななくて、「探す」がキーワードになる予感もあります。
あるかないかわからないものが、「あった!」と探し当てたときの喜びは何物にも換えられません。犬や人間だけじゃない、動物が本来もっている何かが刺激されるのです。「食欲」「性欲」「権力欲」そして「探求欲」かな。
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