4月5日、埼玉県秩父市吉田の椋神社で行われる「オイヌゲエ(お犬替え)」とは?
(写真上から、椋神社のお犬札、新しい札を準備する、オオカミの狛犬と神楽)
埼玉県秩父市下吉田の椋神社は、秋の「龍勢(竹製ロケット花火)祭り」で有名な神社です。
ここで4月5日「オイヌゲエ」が行われます。「お犬替え」のことです。
問題犬を忠犬と取り替えてもらう?
ヴィーノが聞いたら卒倒しそうな行事ですが、もちろんこれは冗談です。
「オイヌゲエ(お犬替え)」とは、お犬さま信仰の風習で、昨年もらった「お犬札」を、新しい札と替えてもらう行事です。
もともと秩父地方にはお犬さま信仰があり、あの三峯神社をはじめとして、お犬さまをお祀りする神社はたくさんあります。
この「オイヌゲエ」も何ヶ所かの神社で行われています。
昔は、この椋神社の「オイヌゲエ」に2万人もの信者が秩父各地からやってきていたそうですが、今は少なくなりました。親から子へ世代が交代したとき、やめてしまう家もあります。
「お犬さま」はニホンオオカミのことでした。オオカミはイノシシやシカなど、秩父の農家の人たちにとっては「害獣」を追い払ってくれる存在なので益獣だったのです。また秩父の養蚕農家の大敵、ネズミからも守ってくれました。そこからオオカミ信仰が生まれました。椋神社の狛犬の代わりに鎮座する像はオオカミそのものです。
地元の人によると「お犬札」は要するに番犬と同じ、ということらしい。「お犬札」は玄関に貼ったり、神棚に祀ったり、農家では「お犬札」を棒で立てたり、ちぎって畑にまくこともあるとのこと。
犬連れで日本一周したとき、各地の犬にまつわる所を訪ねました。「犬」の付いた地名や、「お犬さま信仰」の岐阜県中山神社など。でも、全国的にみても秩父地方は「お犬さま信仰」が多い土地柄といえそうです。
どうしてなのか?ということも含めて、たいへん興味をそそられるテーマですね。
俺も「お犬札」を頂きました。神棚を作ってお祀りしようと思います。
今度外国へ行ったとき、「あなたの宗教は?」と聞かれたら、自信を持って「ドッギスト(Doggist 犬信仰者)」と言ってみます。イスラム教徒からは怒られそうですが。
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