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2012/06/24

「Google、絶滅危機の言語を保存するプロジェクトを公開」のニュース

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120624_3(中国雲南省の民族  ↑:ハニ(アイニ)族   中:ワ族  ↓:アク人)

Google、絶滅危機の言語を保存するプロジェクトを公開
(ネットベンチャーニュース 
http://www.netventure-news.com/news_aNhs9t2J9S.html?right

アジアの民族文化にひかれてかれこれ20数年。とくに若いころは中国南部やインドシナ半島を周っていました。

そのとき各民族ごとに違う言葉の多さに驚かされました。隣村の言葉が違ったりするわけです。それと言葉の世代間断絶という現場も目にしています。

雲南省南部、西双版納タイ族自治州の山中だったと思いますが、「プドゥ族」の村を訪ねたことがありました。中国少数民族の中には数えられていない民族で、中国の場合、「民族」と認められていない下部集団を「@@@人」と呼んでいるので、この場合「プドゥ人」になるんでしょうか。

プドゥ人のおばあさんと小学生の孫の話です。孫はおばあさんと話ができないのだそうです。孫は学校で「普通話(中国の標準語、北京語)」で勉強していて、家でもプドゥ語は使っていないので、おばあさんが話すプドゥ語がわからない、というのです。かろうじておばあさんの子どもの世代では、プドゥ語も少しわかるようですが、2世代離れるともうわからないようです。おばあさんの寂しそうな顔が忘れられません。

これは何もプドゥ族だけではなくて、日本でも聞く話で、俺の母親は山形訛りがはげしく、たまにわからない言葉をしゃべります。俺にも言葉の世代間断絶の経験があります。

言葉はとくに「形」や「物」として残らないので、無くなるのも早い。録音技術が生まれてようやく記録として残るようになりました。こういった無形文化財を残していくプロジェクトも必要だなと思います。

プロジェクトのHPはこちら。
http://www.endangeredlanguages.com/

ただ皮肉なことに、Googleなどインターネットを広めてきた側が、弱小言語を駆逐してきたという側面もあるそうで、このプロジェクトがその懺悔の意味もこめている(もしかしたら免罪符になっている)というとことに、少し引っかかりはありますが。でも、やらないよりはマシでしょう。とくにこの10年20年の少数言語の失われるスピードの速さといったらないでしょう。時間との闘いなのです。

日本では今のところ、「アイヌ」「奄美大島」「沖永良部」「与論」「沖縄」「宮古」「八重山」「与那国」などが登録されています。

ページには「sample」があって、実際の言葉を音声で聴くことができます。アイヌのページでは、音楽や唄などもアップされています。これは面白いですね。

まだ始まったばかりで、「sample」がない言葉もありますが、もっともっと充実させていけば、すばらしい言葉の図書館になるでしょう。期待したいです。

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