中国貴州省の撮影旅2012 (04) 黎平県肇興村の屋外映画
黎平県の肇興村は中国のもっとも美しい村のひとつといわれているそうです。村と呼ぶには大きな規模ですが、たしかに、周りを山に囲まれ、村の中を川が流れ、木造の建物が密集し、風雨橋や鼓楼が点在する肇興は、しっとりと落ち着いた風情があります。
まだ交通の便がいいとは言えないことが、こういった古いものを残すことになっているのではないでしょうか。「昔は良かった」とはあまり言いたくないのですが、雲南省北西部の、今ではわんさと観光客が押し寄せる世界遺産の麗江も、かつてはこんな素朴な味わいがありました。ここもそのうち変わってしまうんでしょうね。
夜、お菓子を買いに外へ出たら、鼓楼のひとつで、屋外映画を上映していました。鼓楼の下層の屋根にスクリーンを垂らして映画館にしています。
昔、雲南省ではよく屋外映画を観たものです。星空をバックにしたハニ族村での映画では、星が移動したのも同時に記憶にあります。
ここ肇興の屋外映画も、テレビが普及する前は、観客も超満員になっていたと想像できます。しかもこの村にはもともと映画館はなかったようだし。
内容もいまだに「反日映画」。日本軍と戦う勇敢な中国人の話ですが、古い映画だし、さすがに今の時代、これでは人が集まらないでしょう。
もっと面白い映画をやればいいのに。鼓楼をバックにした屋外映画自体は、最高に贅沢なものです。観光客にはウケるんじゃないでしょうか。
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