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2012/11/03

「写真家」とか「カメラマン」という肩書きについて

121102

こんなニュースが入ってきました。

「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏に経歴詐称疑惑
週刊文春WEB http://shukan.bunshun.jp/articles/-/1983 )

加藤氏という人物にそれほど興味はありませんが、もしこれが事実としたら、さすが加藤氏はよく中国のことをわかってらっしゃる人だと思います。この前も書いたけど、「騙される方が悪い」というのが中国の文化だから。中国の処世術を中国で忠実に実践した人物なのでしょう。

日本でも経歴・肩書きを詐称することが最近流行っているらしい。「アリバイ屋」と呼ばれる偽の各種証明書を作る仕事人もいるらしい。医師免許や建築士免許の偽造までいってしまうと社会に害ですね、やっぱり。

なんでだろうと思ってしまいます。それだけ日本では(外国でも)肩書きにこだわるということの裏返しでもあるんでしょう。俺もこだわってないフリしてこだわっているからこそ、こんな文章を書くんでしょうし。

「医者」とか「1級建築士」から比べると「写真家」なんていう肩書きは玩具みたいなものですが、俺は「写真家」になりたいなんて、今まで一度も思ったことがありませんでした。(だから当然「写真家」をやめたくなったこともない) ただ旅をして写真を撮るのが面白かったので続けてきたにすぎません。

だったらなぜ、今「写真家」と名乗っているかというと「旅人」では、仕事がもらえないから。ましてや「自由人」「放浪者」では怪しすぎるし、肩書きなしでは、相手が戸惑ってしまい、悩ませるのもかわいそうだし。それと税務署の確定申告で「旅人」「自由人」「放浪者」は認められないから。

俺も肩書きを利用して仕事をしているので、詐称したくなる人を非難ばかりもできないんですが。

肩書きって便利ですね。たとえ俺がホームレスと同じような生活していても、貧乏旅行者のようであっても、「写真家」と名乗りさえすれば、みんな「なるほど」とうなずいてくれます。世間に受け入れられます。

「写真家」は便利ですよ。資格も学歴もいらないので、「詐称」の心配もいらない。いや、ある意味俺も本心を隠して「写真家」と名乗っているわけだから、肩書き詐称しているって言えば言えないこともないな。

最近の映画では、やたら「カメラマン」「写真家」という設定が多いのも「便利だから」なんだろうなぁと感じています。逆に言えば、設定が安易すぎるとも思います。要するに「カメラマン」「写真家」という肩書きは、「無職」「自由人」というキャラクターに、見栄えをよくするためにつけただけ、と見えてしまうのです。それこそ「フリーの写真家/カメラマン」なら、突然フランス・パリに出かけることも、昼間っから犯人を長時間尾行することも、朝からビール飲んでいることも、それなりに不自然ではありません。

昔、ある女性がこんな俺に近づいてきたことがありました。俺が「写真家」だから。なんでも彼女が言うには、「写真家」は、犬(ビーグルなんかではなく大型犬だろうけど)を飼ってて、豪邸に住んでいるらしい。俺が「犬は大嫌いだし、住んでいるのは四畳半だよ」と言ったら、絶句してました。

バカじゃないかって思いましたね。肩書きに騙されちゃって。いや、騙したわけではなく、彼女が「写真家」という肩書きに、勝手なイメージを持っていただけですが。

「あなたは何者ですか?」って聞かれたら、肩書きの入った名刺じゃなくて、HPのURLを教えようかな。そのほうが俺が何をやってきている人間なのか、どんなことに興味を持っている人間なのか、よくわかるでしょうから。(今使っている名刺にはURLを一番大きく書いています)
 
 
 
 
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