「桜が笑う」 武井咲はどうして「えみ」なのか?
(写真は上から、宮城県塩竃神社、宮城県大河原市、福島県南相馬市小高)
武井咲という女優がいます。彼女の名前の「咲」がなんで「さき」ではなくて「えみ」なんだろう?と疑問でした。
このことについては、多くの人が疑問だったようで、ネットでは「親の自由だけど、こんな読み方できない」と、怒っている人もいるくらいです。
ところが、桜をきっかけにして、その謎がとけました。
「咲」は「わらう」とも読む。
そう聞いたのは、先日単行本の件で写真を撮りにうかがった作家の玄侑さんからでした。
調べてみると、たしかに「咲」は「笑」の異体字だそうで(中国語でも発音は同じxiao(4) 笑うという意味)、簡単に言うと、もともとは同じ「字」だったのが形が違っていたので、違う意味になってきた、ということらしい。(Wiki「字体」参照)
だから「咲」→「笑」→「笑み」ということですね。
「えみ」と読むことにまったく根拠が無いわけではなく、いや、「えみ」と読むのは間違ってはいないということなんです。
Wiki「武井咲」によると、「名前の「咲(えみ)」は本名で、両親の「花が咲くように元気で笑顔が絶えない女の子」になって欲しいとの願いからつけられた。」とのこと。ご両親は当然このことを知っていて名付けられたのでしょう。
まぁ、武井咲の話をしたかったわけじゃなく、「咲」が「笑」と、もともとは同じ意味だったことに、とても感心したということを言いたかったのでした。
桜を見るとどうして元気になるのかな?とも思っていて、あの青空を背景にした満開の桜が「笑っている」という表現なら、すごく納得できるからです。「桜の笑顔」を見て元気になるのは当然といえば当然かも。
「桜が咲く」は「桜が笑う」でもあると感じた昔の人の感性に脱帽です。
「咲う桜(わらうさくら)」「咲桜(えみざくら)」。なんだかいいなぁ。単行本のタイトルにならないもんでしょうか。
2003年2月、廣済堂出版から出た写真集のタイトルは『花咲(わら)う』になりました。(2003/2/27)
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