映画 『潜水服は蝶の夢を見る』をDVDで観て
『潜水服は蝶の夢を見る Le scaphandre et le papillon 』
監督: ジュリアン・シュナーベル
脚本: ロナルド・ハーウッド
出演者: マチュー・アマルリック
エマニュエル・セニエ
マリ=ジョゼ・クローズ
「世界最大手のファッション誌『ELLE誌』の編集長であるジャン=ドミニク・ボビーは、ある日、長男を乗せて新車を試乗中脳溢血に襲われたが、 一命を取り留め、リハビリのためパリから北部海岸の街ベルク(Berck)の療養所へと移床される。3週間におよぶ昏睡の後、意識と記憶は回復し、音は聞こえるが、言葉を発することはできず、全身に亘っての重度の麻痺が残った、閉じこめ症候群(Locked-In syndrome)の状態になってしまった。全身の運動機能を完全に失ってしまった現在、唯一動かせたのは左目のまぶたのみだった。絶望の後、彼は、左目のまばたきのみで、自伝を書くことを決意する。。。」(Wiki参照)
見苦しい画面から始まり、それがしばらく続きます。それが主人公ジャンの視界だとわかり、じょじょにジャンの置かれている状況が明らかにされます。見苦しさは主人公の感覚を疑似体験的に表現したものでした。
主人公の、体が動かないもどかしさは、「潜水服」という言葉であらわされているわけですね。
目しか動かなくなった主人公は、この目の瞬きで文字をつづってもらい自伝を書くのでした。なんという執念でしょうか。このプロジェクトに協力している人たちの献身的な働きがあってこそですが。本人もそうですが、協力者も忍耐強い。俺にはとうていできないことです。
映画としてはどうでしょうか。設定の特殊性が強調されている気がしないでもありません。その特殊性がドラマとしての面白さを増す方向に働いているのか。俺はちょっと疑問です。
逆にこの設定がフィクションではなかったということがひっかかるのかもしれません。実話を元にしているので、この設定も実話なのです。こういうとき、ドラマとして、有利になるのかどうかわかりません。
と、いうわけで、けっして「つまらない」という」わけではありませんが、実話の映画としての限界みたいなものをちょっと感じたということです。
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