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2013/03/11

東北の咲【わら】う桜 (14) 宮城県気仙沼市 大川桜並木

130311_7(2011年4月25日)

130311_1(2011年4月25日)

130311_2(2011年4月25日)

130311_4(「大川さくらまつり」でライトアップされた並木 2012年4月28日)

130311_3(2012年5月1日)

130311_5(2012年5月1日)

130311_6(桜と月 2012年5月1日)

震災から今日で2年。

昨日も触れましたが、被災地に対する関心が減っているということが気にかかります。被災者にはこのまま忘れ去られてしまうのではないか、という心配があるかもしれません。

各地の仮設商店街も、お客が減って大変だといいます。観光することも大きな復興支援の目に見える形だと俺は思っていますが、「被災地を観光すること」に後ろめたさを感じる人もいるそうです。

2011年4月の震災直後でさえ、「被災地を見に来てください」と多くの被災者たちが言っていました。ただし、被災者の気持ちを考えない観光客も来ることは来ます。そういう観光客を見て不快になる被災者もいることは事実です。

でも、「被災地」イコール「不幸」という図はどうなんでしょうか。これは人それぞれなので、一概に言えませんが、2年経って、発想の転換の時期に来ているのではないかなと俺は思っています。

だから俺はあえて、被災桜を見に行ってみてください、と言っています。有名な桜の名木はないですが、被災した桜は、その事情を知れば、特別の桜に見えるはずです。それこそ「命」を強く感じます。

桜の美しさってなんでしょうか。たぶん被災桜は、桜の美しさをあらためて考えさせるものになってくれると思います。

桜を見て、被災地を考えて、そして地元で食べて、みやげを買ってくる。「観光」というものの形もいろいろあっていいのではないでしょうか。「観光」とは「光」を「観る」ことでもあるんですよね。静かに被災地に寄りそう「観光」だってあるはずです。その人の気持ちしだいだと思います。
 
 
 
今日の桜は、宮城県気仙沼市大川桜並木です。

去年2012年4月末訪れたとき、まだ咲き始めなのだろうか?と思って、地元の人に聞いたら、

「たぶんもう咲かないでしょうね。枯れてしまったのではないでしょうか」

やはりあの津波の影響は大きかった。ほとんどは塩水と重油を被っていて、火災で焼けた桜の木もあったらしい。

こんな中、2012年4月22日から29日まで、「大川さくらまつり」が行われました。

祭りのスタッフにも話を聞きました。

「このお花見も今年で最後かもしれません」

という。このあたり一帯を数メートル嵩上げする計画があり、当然堤防も嵩上げされることになると、桜並木は切られることになります。だから今年最後・・・・。

あらためてこのまばらな花の桜並木を見ると、妙にいとおしく感じてきます。

「まだわかりませんよ。切られるかどうか。決まったわけじゃないんだから」

と、ムッとした表情で言う地元のおじいさんもいました。桜並木がなくなるかもしれない悔しさがにじみ出ていました。

今までみんなを楽しませてくれた桜並木の最後を看取ってやることは、桜並木に対しての恩返しでもあるのかもしれません。
 
 
 

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