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2013/04/30

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (16) 岩手県大船渡市 大船渡町の桜

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2011年4月、大船渡に着いたとき、瓦礫の中に立つ1本の桜が目に入って、思わず車を止めた。それが一番上の写真、大船渡町の児童公園にあった桜だった。津波をかぶっていたが満開の花を咲かせていた。凛々しく力強いその姿に心を動かされて写真を撮った。

今年大船渡市を訪ねたのは、4月20日。どうなっているだろうと気がかりだったが、この桜はしっかりと生きていた。まだつぼみが多かったが、望遠レンズで覗いたら、数輪の花が咲いていたのだ。

今年は都合が悪くて、満開の時期までいることはできなかったが、生きていることだけ確認できただけでもよかった。また来年来ようと思う。

丘の上に桜を見つけた。こちらは8部咲きくらいで、地元住民の管理する公園だった。ここで知り合った人にお茶をよばれた。基本、よばれたら絶対断らないので、お宅におじゃました。旦那さんと奥さんの二人暮らし。

児童公園の桜だが、奥さんによると、あれは数本あったうちの1本だったのだという。買い物に行くときはいつもあの桜の下を通っていたので、親しみのある桜だった。

彼らの家はこの公園の少し下で、津波は来なかった。でも、親戚知人には亡くなったり行方不明になった人は当然いる。

奥さんは遺体置き場を周ったときの様子を涙ぐみながら語った。「地獄ってこういうことだと思った」といった。俺はただ黙って話を聞くだけだった。


2011年、2012年の桜の写真はこちらで。

Ya_2東北の咲【わら】う桜 (02) 岩手県大船渡市 大船渡町の桜
 
 
 
今年の桜撮影の連載はこれで終わります。

今年は、今まで撮影できなかった福島県の桜を中心に周りましたが、時間の都合で、岩手県北部まで行くことができなかったのが心残りです。

でも、桜と桜にかかわる人々の写真はこれからも撮り続けようと思います。少なくとも自分の中での「震災記憶の風化」を防ぐためにも。東北出身者の役割でもあるように思うし。

いや、そんな硬苦しいことよりも、被災桜を見ると、俺自身が元気になるのです。それだけでもじゅうぶんかもしれません。
 
 
 
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2013/04/28

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (15) 宮城県気仙沼市 大川桜並木

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今年、気仙沼を訪れたのは4月20日(大雪の前日)のことだった。

大川桜並木の大半の桜は生きていた。あの津波や火災にあいながらも、今年も桜はちゃんと花をつけていた。まだつぼみが多く、満開までにはあと1週間ほどかかりそうだったが。

そこへ30人ほどの学生がやってきた。手にはカメラを持っている。聞けば地元高校の写真部の活動で、この大川桜並木が今年最後になるということで写真を撮りに来たという。

土地をかさ上げし、大川の堤防ももっと高くする。そのために桜並木は切られるとのこと。この計画は去年の桜祭りのときにも地元の人から聞いていたが、やっぱり切られることになってしまったのか、じゃぁ、なおさら最後の桜をよく観なければと思った。

津波で校舎は被害にあったので、今は別な高校のグランドの仮設校舎で勉強している。ブログを準備中とのことだった。地元の高校生が地元をどんなふうに撮るのか興味がわいた。

桜はつぼみだったが、桜並木に並んだ彼ら全員の集合写真を撮らせてもらった。

(顧問の先生へ。メールアドレスを書いてもらいましたが、スペルのどこか間違いがあるようで、いまだにこのときの写真データが送れていません。もしこれをご覧になっていたら、連絡ください。)

以前の大川桜並木の写真はこちらでどうぞ。

Ya_2東北の咲【わら】う桜 (14) 宮城県気仙沼市 大川桜並木

今日、気仙沼市大川の最後の桜祭り。

http://okawa-sakura.jp/about.html
 
 
 
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2013/04/27

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (14) 宮城県名取市 閖上小学校の桜

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福島県相馬市から北上し、宮城県名取市閖上小学校を通りかかったら桜が満開だった。何度もここを通っていたが、満開の状態に合ったのははじめてのことだった。

近所の人から話を聞くことができた。

311震災当日の朝の光がよかったので、たまたま自宅や庭先の福寿草の写真を撮った。春の陽光に力強さを感じた朝だった。午後から雲行きが怪しくなった。そして地震。急に寒くなった。

ここは海岸線から2kmほどあるので、津波はじわりじわりと何回かにわけてやってきて、ついに2mの高さにまでなった。それで2階に逃げた。

車から逃げ出して、電柱に登った人が見えた。見えてはいても助けることもできなかった。雪が降ってきた。6時ころには水が引いたのでその人は助かった。

小学校の校庭には桜はたくさんあったが、年々枯れていって切られた。残っているのは、校庭の北側に数本、南側に4本。それと植樹した若木。

この土地がどうなるかまったく決まっていない。でもこの桜は確実に将来切られてしまうだろう。10、20年たったとき、思い出に残るものは何も無い。ふるさとは消えてしまった。

防潮堤を作り始めているが、あれは津波には有効でも、逆に内水にはマイナスになる。津波より、洪水ほうが頻度が高いのに。洪水が起こったときに水が吐けなくなってしまうのではないかと心配だ。

当日の津波や翌日の水が引いたあたりの様子も写真に撮っていたので、見せてくれた。

「ふるさとが消える」というその言葉は重くいつまでも耳に残った。
 
 
 

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2013/04/26

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (13) 福島県郡山市 開成山公園

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明治時代、郡山開拓者たちが集まって楽しめる場所を作ったのが開成山公園。現在は五十鈴湖の周辺に約1300本もの桜が並ぶ。

花見をする人たちや学生たちのジョギング姿が多い。

大道芸人が多くの観客を集め、桜の下で拍手喝采を受けていた。パフォーマンスが終わった後に話を聞いてみると、なんと出身が川越市だという。急に親近感がわいた。東北を周っているとのこと。またどこかで会いましょうと分かれた。

公園の西側に隣接する開成山大神宮境内は桜祭りの期間で、約100店の露天が並んでいた。焼きそばのいい匂いが漂ってくる。高校生たちが食べながら歩く姿は楽しそうだ。

 
 
 

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2013/04/25

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (12) 福島県飯舘村 いいたてスポーツ公園&大雷神社など

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大雪が降った翌日、飯舘村にも雪が積もったまま消えていなかった。

いつも撮影している、いいたてスポーツ公園の桜は雪の中に立っていた。まだ咲き始めたところだ。満開までにはあと数日かかりそうだった。

大雷神社の桜も、満開までにはまだ早い感じだった。気のせいなのか、人が見なくなった桜というのは、どことなく雑とした、あるいは、野生的に映る。
 
 
 
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2013/04/24

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (11) 福島県二本松市 新殿神社の岩桜

Img_1899(2013年4月18日撮影)

道の駅「さくらの郷」を通りかかったとき、この鳥居と、まわりに覆いかぶさるように咲いていた桜が気に入って、これは日の出前に撮ろうと思った。向かいのガソリンスタンドで聞いたら、「新殿神社の岩桜といいます」と教えてくれた。

幸いにも道の駅の隣だったので、起きてすぐ撮影することができた。

夜はライトアップされていてきれいなことはきれいなのだが、写真的にはライトアップの光は強すぎるから、あまり好きではない。

朝は真っ暗で最高のコンディションだ。街頭の明かりや時々通る車の明かりを利用して岩桜を撮った。
 
 
 

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2013/04/22

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (10) 福島県田村市 小沢の桜

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今回の東北の桜撮影は、福島県が中心だったが、岩手県大船渡市までは北上した。その写真はあとでアップすることにして、掲載の写真は、今日撮影の、小沢の桜。

5部咲きくらいだというが、もともと花のボリュームがあるので、これだけでも見事だ。今日、明日と、6時半ころからライトアップされる。ライトアップしているのが地元の人で、写真に詳しいので、ライトアップもカメラマンのことを考えて、工夫している。

昨日はここは吹雪だった。吹雪の写真を見せてもらったが、すごかった。これだけの大雪が降ったのは43年ぶり。今朝も一面雪の白一色だったという。

俺は遅れて昼過ぎ着いたが、少しは雪が残っていた。山あり、田んぼあり、菜の花あり、祠あり、集落ありで、まるで作ったような風景だ。

田んぼの水に映る桜を狙った。これは今度テレビ番組で棚田特集があるので、その中で「水に映る風景」として使えるのではないかと思ったからだ。(でも「棚田」と呼べるか微妙な地形・・・)

だから、ちょっとした事故(山道でスリップし、1回転し、ライトのガラスが割れ、バンパーが変形)があり、精神的ショックは大きかったが、これだけは撮ろうと思ってきた。大きな代償を払ってしまったが、俺にはそれだけの価値はある。
 
 
 

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2013/04/21

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (09) 宮城県石巻市 日和山公園 桜の雪景

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今日、宮城県は大雪になった。石巻市の日和山公園でもみるみるうちに雪が積もった。満開の桜が雪に覆われ重たそうに枝が頭をたれたようなかっこうになった。

地元のカメラマンが。

「この時期に雪が降るのも珍しくはないです。でも、今日は積もりすぎですね」

と言っていた。

 
 
 
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2013/04/20

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (08) 福島県二本松市 合戦場のしだれ桜

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合戦場のしだれ桜は、三春滝桜の孫桜とも言われるそうで、たしかに滝が落ちるような花は似ているといえば似ている。

ちょうど訪ねた夕方、ライトアップの点灯式が行われていた。

しだれ桜がメインだが、周りには多くの桜の木があるので、桜の公園のようだ。なんとこの広い場所を管理しているのが桜の木の所有者のMさん。

最近、募金箱を置くようになって、菜の花の肥料代はまかなえるようになったが、ほとんどボランティアだ。

「みなさんが喜んで来てくれるのが嬉しいんです」という。

桜の木の下に昔牛舎だった建物(今は写真展示と土産売り場)があるが、お客さんから「この建物が邪魔だ」と指摘されるそうだ。Mさんもわかってはいる。でも、壊すにもお金がかかるのだ。市で壊してもらう計画も、条例違反ということがわかり(個人所有物に税金を使えない)、取り壊しの計画は頓挫したまま。

ここが有名になったのは、平成8、9年ころ、週刊誌に載ったのがきっかけだ。それまではシーズン中でも10人ほどが来るだけだった。その後テレビ中継が行われ、この桜が全国的に知られるようになった。震災前は9万人も訪れた年もあったという。

ここで、まもなく結婚するという郡山のカップルと出会った。菜の花と桜を背景に、彼らの写真を撮らせてもらった。いい写真になった思う。これは次回の写真集の表紙だなと頭をかすめた。でも、そんな邪念が入ると、けっきょくは使えないということにもなる。そこが写真の難しいところ。

結婚式ではこの写真を使いたいというので、喜んでデータをあげた。桜や菜の花以上に「春」そのもののふたりだった。
 
 
 

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2013/04/17

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (07) 福島県三春町 滝桜

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福島県三春町の滝桜は満開を迎え、多くの観光客でにぎわっている。

福島県の復興の象徴としてもたびたびメディアで取上げられるようになった。

桜は毎年咲く。「今年も咲いたかぁ」というせりふが、つい口から出る。毎年規則正しく繰り返されること、けっきょくはここに「日常」を感じるためかもしれない。復興は、日常を取り戻すことだろうから。

日の出前の桜も、日中の桜も、そしてライトアップされた桜も、どれもいい。滝桜を今年は味わいつくした。
 
 
 

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2013/04/16

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (06) 福島県南相馬市 夜ノ森公園

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福島県富岡町の夜ノ森ではなくて、南相馬市の夜ノ森公園だ。モニタリングポストが設置されていた。

南相馬市原町の老夫婦がやってきた。震災後、この公園に来たのは初めてだという。

老夫婦は原発の水素爆発後も、他のところに逃げなかった。彼らが住む地区の45軒のうち3軒だけは残った。隣の家族も90歳のおばあさんがいるので、移動できなかった。結果的に彼らがいたのでがんばることができた。隣と励ましあいながら、最悪の混乱期を乗り切った。

夫婦は、毎日45軒の見回りをしていた。泥棒を警戒してのことだった。警官と顔見知りになり「ご苦労様です」と声をかけられた。

ある町のまんじゅう屋が開いていたので、どら焼き4個買ったら、店の主人がお茶をくれた。ふたりは、喉がからからだった。涙を流しながら、どら焼きを食べた。この親切心が嬉しかった。半年後、まんじゅう屋にお礼に言った。そしたらまたまんじゅうをもらった。

そこへ小高区の夫婦もやってきた。彼らもまた震災後初めてこの桜を見に来た。

モニタリングポストを見て、4人全員が言った。

「こんなの信用できない」
 
 
 
 
 
 

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2013/04/14

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (05) 福島県南相馬市 道の駅「野馬追の里」

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南相馬市の道の駅「野馬追の里」の去年の写真は、写真集でも使ったが、今年、遊具ができていた。それと除染が終わったばかりで下が白っぽかったが、少し雑草なども生えていた。

おばさんが通りかかった。パソコンを開いて、それを見ながら写真を撮っている俺に、

「何やっているの?」

と聞いてきた。

「去年と同じところから写真を撮っているんです」

この遊具は企業などの協力で、半年ほど前から作り始められたらしい。町の人も戻りつつあるが、若い人たちがなかな戻ってこない。明らかにこの遊具は子供のためのものだ。なんとか若い人たちにも戻ってほしいという願いがこめられているのかもしれない。

若い人たちは避難先での生活に慣れてきている。せっかく慣れたのに、また移住するのは大変だ。おばさんの子供と孫も東京にいる。前は常磐線の特急で帰省することができたが、いまは不通になってしまって、福島からバスに乗り換えて来なければならなくなった。

おばさんは、

「散歩するに公園はいいですね。息抜きになって。桜を見ているとほっとする。ぼんぼりもつけたんだね」

というから、

「去年もありましたよ」

といったら、

「そうなんですか、よく覚えていません。でも、ぼんぼりはなごむねぇ」

 
 
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2013/04/13

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (04) 福島県南相馬市 小高区

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福島県南相馬市小高区へいった。写真集でも使った公園(一番上の写真)はほとんど同じ、1年前と比べて何も変わっていないように思ったが、小高神社へ行ってみると、倒れた灯篭などは直されていた。

駅前も変わっていない。2年以上放置された自転車には植物のつたがからまっていた。桜だけは去年同様きれいに咲いていた。

昨日、浪江で出会った人の話でも、家のゴミを片付けられないので、なかなか前に進まないといっていた。
 
 
 
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2013/04/12

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (03) 福島県浪江町 請戸川沿いの桜並木

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ラジオで、浪江町の請戸川の桜並木は満開です、というニュースを聞いて、富岡町から浪江町に向かった。ただ海岸線をいけないので、西側から大きく迂回しなければならない。去年は通れた国道399号線も、途中から通れなくなっていたので、もっと西を迂回。飯舘村を経由して南相馬市に出て、6号線を南下する。

浪江町の入り口で検問があった。通行証のある車は素通りだが、ない車はナンバーを控えられる。9時から4時までの滞在許可の紙をもらった。

請戸川の桜並木はすぐ見えたので、迷うこともなかった。ちょうど満開だ。富岡と違ってこちらは地元の人がちらほら来る程度。

お父さんと娘さんの二人連れがやってきた。彼女は小高出身で原町の仮設に住んでいる。浪江町にはお父さんの実家があってそれを見に来た。豚に荒らされて、もう住めない状況だ。家から出たゴミを焼却してもらえない。同じ市内なのに。だから家の片づけが進まない。ゴミさえ片付けば気分も晴れるのですが、という。

ところで、南相馬市小高区が警戒区域解除になった去年4月、誰でも自由に入ったので、泥棒とか、いろんなトラブルがあったことをふまえて、浪江町の場合は、検問を設けたようだ。入り口の検問はそのためのものだとわかった。
 
 
 

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2013/04/09

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (02) 福島県富岡町 「夜ノ森の桜並木」の異常な静けさ

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一昨日、昨日の強風で花が飛ばされてしまったようで、満開ですが、スカスカな感じです。

午前8時ころまでは、300mほどの満開の桜並木に俺一人という、この異常な状況にちょっと慣れませんでした。

ファインダーを覗いていると車が背後で止まったのがわかりました。振り返るとパトカーでした。「職質か?」と思ったら、そうではなくて、なんと俺の写真にパトカーが入らないように、撮影が済むのを待っていてくれたんです。それがわかったので手で「どうぞ」と促したら満面の笑みを浮かべて丁寧にお辞儀をして去っていきました。

これほど異常な場所はないわけですが、その異常さと、警官の過剰ともいえる愛想のよさとのギャップがあまりにも大きく、また頭がくらくらしました。

9時過ぎると取材者がたくさんやってきました。テレビ局、新聞社、フリーのジャーナリスト、写真家・・・。たぶん、今日のニュースや夕刊で見ることができるのではないでしょうか。俺も映っているかもしれません。

富岡町出身の親子3人組(写真の3人)の写真を撮らせてもらっていると、「写真を撮らせてください」と、記者から逆に頼まれました。どうも俺が彼女たちの「お父さん」に思われたらしい。

ところでこの親子の話には、考えさせられました。

テレビで報道されるのは老人ばかりで、「若い人たちはどうしているの?」と聞かれるそうです。たしかにそうかもしれません。「若い人たちは元気ですよ」とお母さん。

娘さんは言いました。「20年後に言いたいですね。ほら、なんともないでしょ?って。普通に元気で暮らしてます。放射能になんか負けてないですよ」

もちろん彼女たちのような前向きな人たちばかりではないかもしれないけど、去年の桜の撮影でも思いましたが、「被災者」イコール「不幸」みたいな目で見られることにうんざりしているようです。そういう「同情」がどれほど人を傷つけているか、ということもあるようです。

「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ」という言葉があります。たぶん、自ら意識してポジティブになることで自分にエネルギーを与えているのかもしれません。そうならざるを得ない状況に追い込んだ企業や国が罪深いのですが。

ところで桜の木が茶色くなっているのは、除染で表皮を削ったからだそうです。

玉子の自販機がありましたが、それもそのまま。中には割れた玉子が残っていました。
 
 
 

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2013/04/08

東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (01) 福島県富岡町 「夜ノ森の桜並木」

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今日からふたたび東北の桜撮影の始まりです。

途中、常磐道の勿来で強風のため通行止めだったので、国道6号線を北上。4時半ころ富岡町の「夜ノ森の桜並木」に到着しました。

今晩テレビでライトアップした桜並木を中継するとかで、スタッフが準備していました。桜を見に来た観光客もちらほら。

とにかく強風で、明日また撮影することにしたので、とりあえず写真だけアップしておきます。
 
 
  
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2013/04/06

写真展『花咲う』残り、今日、明日の2日間

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写真展『花咲(わら)う』は、残り、今日と明日の2日間です。

下の新聞は、昨日の毎日新聞夕刊RTに掲載された写真展の記事です。

写真展の詳細はこちらで。

今日の夕方からまた大荒れの天気予報なので、早めに来ていただいたほうがいいかもしれません。
 
 
 
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2013/04/04

写真展『花咲う』のオープニング

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上は、写真展初日(4月2日)夕方からのオープニングの様子です。

日ごろから人付き合いが悪いので、もともと友人は少ないし、この日は大雨が降り、キャンセルの電話も何人からかもらっていたので、たぶん、人は少ないだろうと思っていたのですが、それなりに来てくれました。奇特な友人知人たちです。ありがたいことです。

新しい人にも知り合うことができたし、昔からの友人が、家族と繋がりがあったことがわかったりと、写真展ということを抜きにしても、個人的には面白いパーティになりました。

また、ある人たちからは、写真集の表紙になった女子高生たちの写真の裏話が面白かったとも言われたし、事情を知って納得したとも言われました。(以前、この件はこちらで書いています

ところで、普段は「つながり」とか「結びつき」を意識することはそう多くないのですが、やっぱり、こういう場に立ってみると、俺もそれなりに人と付き合いながら、「つながり」とか「結びつき」を作ってきたんだなぁと思ったのでした。

「つながり」とか「結びつき」(最近は絆という言葉をよく聞きますが。ちなみに、絆の語源は「動物をつなぎとめる綱」だそうです)というのは面白いもので、つながっている個々のものがいかに優れていても、つながりの良し悪しとはまた別で、極端に言えば、個々はどうしようもないものでも(けっして俺の友人知人たちを指しているんじゃないですよ)、つながることで、とんでもない力を発揮するってことがあるんだということなんです。俺の中では、まるでつながりがひとつの意思を持った生き物のようなイメージです。
 
 
 
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2013/04/02

写真展『花咲う』 初日です

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昨日写真展の飾り付けをやって、今日は初日です。

あいにくの雨ですが、近くまで来たらどうぞ。

18:00からは(たぶん大雨の中)オープニングです。誰でもお気軽にお立ち寄りください。

写真展の詳細はこちらで。

 
 
 
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