東北(福島・宮城・岩手)の桜撮影旅2013 (14) 宮城県名取市 閖上小学校の桜
福島県相馬市から北上し、宮城県名取市閖上小学校を通りかかったら桜が満開だった。何度もここを通っていたが、満開の状態に合ったのははじめてのことだった。
近所の人から話を聞くことができた。
311震災当日の朝の光がよかったので、たまたま自宅や庭先の福寿草の写真を撮った。春の陽光に力強さを感じた朝だった。午後から雲行きが怪しくなった。そして地震。急に寒くなった。
ここは海岸線から2kmほどあるので、津波はじわりじわりと何回かにわけてやってきて、ついに2mの高さにまでなった。それで2階に逃げた。
車から逃げ出して、電柱に登った人が見えた。見えてはいても助けることもできなかった。雪が降ってきた。6時ころには水が引いたのでその人は助かった。
小学校の校庭には桜はたくさんあったが、年々枯れていって切られた。残っているのは、校庭の北側に数本、南側に4本。それと植樹した若木。
この土地がどうなるかまったく決まっていない。でもこの桜は確実に将来切られてしまうだろう。10、20年たったとき、思い出に残るものは何も無い。ふるさとは消えてしまった。
防潮堤を作り始めているが、あれは津波には有効でも、逆に内水にはマイナスになる。津波より、洪水ほうが頻度が高いのに。洪水が起こったときに水が吐けなくなってしまうのではないかと心配だ。
当日の津波や翌日の水が引いたあたりの様子も写真に撮っていたので、見せてくれた。
「ふるさとが消える」というその言葉は重くいつまでも耳に残った。
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