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2013/05/31

長野県千曲市 姨捨(おばすて)棚田と街の明かり

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曲線が多い棚田らしい棚田で仕事をしていた奥さんひとり。(4番目の写真) あとで仕事が終わったとき「一番ここが棚田らしいですね」と言ったら、「みんなからそう言われているんです」と。やっぱり。

仕事をする上では狭くて曲がっていて大変でしょうが、「いい棚田ですね」とみんなに言われて、どう受け止めているのでしょうか。

機械を入れたり出したりするのも面倒なので、全部手作業でやっているとのこと。これでも、畦のクロヌリはやらなくてよくなって仕事はだいぶ楽になったといいます。

姨捨の棚田の先に街明かりが見えるのは独特です。面白い。この前の山梨県南アルプス市の棚田もそうでしたが、中国など外国で、これだけ大きな街のすぐそばに棚田があるのは、日本以外に知りません。

これこそ「日本独自」といえるのかもしれないですね。「海に面した棚田」は韓国にもあったので、「日本独自」とはいえなくなってしまったし。少なくとも「日本的な棚田」とは言えると思います。

 
 
 
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2013/05/29

三重県大台町 神瀬(かみぜ)の四季フォトコンテスト (2) 熊野古道や眼鏡橋など

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130529_4(眼鏡橋)

130529_5(熊野古道に残る石畳の跡)

130529_6(山ノ神、庚申など)

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写真コンテストの表彰式には、受賞者の方々も出席し、賞状と副賞が授与されました。

最優秀賞には、神瀬の新茶1年分、優秀賞には神瀬米の副賞がつきました。これはいいですね。(俺も来年はこっそりと匿名で応募しようかな。もちろん冗談)

ところで、神瀬には「お宝」がいくつもあって、たとえば、熊野古道、眼鏡橋、山ノ神、庚申、野の花、そういうものが点在しているので、ウォーキングマップを作る際は、当然それらを入れてもらえると歩きやすいかなと思います。それと、できれば外国人用に、英語での表記もあるといいかな。外国人も、「京都・奈良」を卒業したリピーターが穴場を探しているらしいので。

茶畑の写真は昨日もアップしましたが、神瀬には「茶畑の中を電車が通る」という、鉄道ファンにも興味をもたれそうな、いい条件が揃っています。実際、応募作品には電車の写真も多かった。

眼鏡橋は、明治40年に作られました。旧国道です。レンガアーチの扁額には「神瀬橋」とあります。ただ、今は川に入らないと橋全体や扁額も見えないくらいで、もう少し周りを整理する必要があるかもしれません。

そして形には見えませんが、神瀬の人たちの暖かいもてなしの心のようなものを感じました。これも観光客にはたまらない魅力になる可能性があります。

なぜ今、田舎の旅行がうけているのかを考えると、美しい風景や、おいしい(あるいは珍しい)食べ物もさることながら、村人とのふれあいを求めていることに行き着くからです。そこが神瀬の一番の「お宝」になるかもしれません。
 
 
 
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2013/05/28

三重県大台町 神瀬(かみぜ)の四季フォトコンテスト (1) 茶畑が広がる田園風景

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ある人の縁で、三重県大台町の「神瀬(かみぜ)の四季フォトコンテスト」の審査とスライドを使った講演を頼まれて行ってきました。先週の土日です。

主催は「神瀬の未来を語る会」で、1年間かけて募集した写真の賞の決定です。地元の人たちの審査が主でしたが、コンテストとしての質や、「四季」とうたったところの季節感や、神瀬らしい写真のバランスなど、総合的なアドバイスをさせてもらいました。

それと講演の前日に現地入りし、神瀬の写真を撮り、その夜、パワーポイントに組み込んで、翌日の講演で発表するという、けっこうプレッシャーを感じながらの仕事でした。意地もプライドも少しはあるので、へたな写真は出したくなかったからです。

神瀬という地区は、大台町の中でも村おこしが熱心なところだそうで、なんといってもなだらかな斜面に茶畑が広がる田園風景は、開放感があり、ウォーキングにはもってこいの場所です。熊野古道の沿線にあり、こじんまりとまとまりがあって、1時間ほどゆっくりと歩いて周ることができます。

今、ここに茶店を開く計画があるとのことですが、茶畑の中を歩いたあと、美しい風景を目の前にしてゆっくりと神瀬の茶を飲めるなら最高です。

(つづく)



より大きな地図で Map (asia photo net) を表示
 
 
 
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2013/05/26

岐阜県恵那市 坂折の棚田で「田毎の月」を撮る

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「田毎の月」という言葉を初めて知ったのは、ここ岐阜県恵那市の坂折棚田だったと思います。

棚田を見ながら地元農家の奥さんと立ち話をしているとき、「昔は田毎の月もきれいだったですよ」と聞いたのでした。

そのときは特別「田毎の月」について興味が出たわけでもなかったので、聞き流したのでした。

奥さんは「農作業から帰るとき、田んぼに映った月が私を追ってくるんです」」といった意味のことを言いました。

なんだか黄泉の国へ連れて行かれそうな、ぞくぞくっとする感じがしました。

先週金曜日は満月の前日。まだ明るさが残っているころ山の稜線から白い月が出て、かなり下の方の田んぼに映りました。そこが民家の横の田んぼだったのです(中の写真)。こんな田毎の月は見たことありません。

その後、だんだん暗くなってきて、月も下の段の田んぼから上の段の田んぼに移動してきます。満月に近いので日が落ちても月明かりが棚田を照らし、独特の風景になりました。それこそ一人で見ていたら自分を失いそうで怖かった。

翌日は、日の出を待ちました。土曜の朝ということもあって、30人ほどのカメラマンが朝日を待ちました。そのとき前日放送のNHK BS『美の壷』の棚田が話題に上っていました。番組を見て棚田へやってくる人もいるんですね。テレビの影響力はすごい。

朝日はそれほど良くはなかったのですが、朝の棚田はそれなりに美しく(下の写真)、カセットコンロで沸かしたコーヒーを片手に、移動していく太陽をボーっと眺めていました。
 
 
 
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2013/05/24

NHK BSプレミアム「美の壷」棚田特集は本日(2013年5月24日)放送予定

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昨日、山梨県から長野県千曲市の姨捨(おばすて)棚田に来ました。夜の棚田の写真撮影です。

1ヶ月前に受けたテレビのインタビューは、NHK BSプレミアム「美の壷」の棚田特集で、本日放送予定です。棚田の写真は3点使われるはずですが、どれが使われるのか、俺も知らされていません。

これから岐阜県を目指しますが、今夜も棚田の撮影をする予定なので、番組は観ることができません。今日も天気がよさそうなので、午後7:30というのは、ちょうどいい感じで十四日月が昇ったころではないでしょうか。来週自宅に戻ってから録画でゆっくり観ようと思います。

2013年5月24日(金) 午後7:30~ (再放送あり)

NHKのHP  鑑賞マニュアル「美の壷」
 
  
  
 
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2013/05/23

昨日の「田毎の月」 山梨県南アルプス市中野の棚田で

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昨日、「田毎の月」について書きましたが、夜、山梨県南アルプス市の中野の棚田に行って、田毎の月の写真を撮りました。

富士山が見えなかったのは残念でしたが、水に映った月は美しい。前回はまだ水が張ってなかった田んぼですが、あと5日もすれば、映らなくなります。

蛙や鳥の鳴き声、水音。時々水面が揺れて十三日月の光が広がったり、崩れたり、そしてまたくっついたり。これは動画でも撮ったので、帰宅後アップします。
 
 
 

 
 
 

  
 
 
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2013/05/22

「田毎の月」という日本人の心象風景

130522_7(岐阜県恵那市坂折の棚田)

130522_8(長野県千曲市姨捨の棚田)

130522_2(静岡県御殿場市の田んぼ)

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(広重「六十余州名所図会 信濃 更科田毎月鐘台山」  元画像:国立国会図書館デジタル化資料

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(広重「本朝名所 信州更科田毎之月」  元画像:東京国立博物館

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(広重「信州更科田毎の月」  元画像:国立国会図書館デジタル化資料

好きな言葉に「田毎の月」というのがあります。

日本人の自然に対する思いが凝縮されている言葉だと思っています。

最近、「田毎の月」の写真を撮る機会が多かったので、またあらためてこの言葉について考えてみたいと思います。

「田毎の月」は、すべての田んぼの水に月が映る光景で、松尾芭蕉など俳人たちは優れた句に詠んでいます。また歌川広重は『六十余州名所図会』の「信濃 更科田毎月鐘台山」(嘉永六年八月)や『本朝名所』の「信州更科田毎之月」などに、段々になった複数の田んぼに月を描いています。

しかしどんなに田んぼの数が多くても、実際には月はひとつしか映りません。だから厳密には(科学的には)「田毎の月の写真を撮る」というのは不可能です(多重露光は別)。

でも、ちょっと待ってください。「田毎の月」は本当に「嘘」なのでしょうか。

前から「田毎の月」についてはHPに写真ギャラリーを作ったり、思いを書いたりしていましたが、あるHPやブログで「田毎の月」を科学的に説明しているのがありました。あくまでも科学的正しさを追求する考察として面白いものですが、おそらく夜の月をじっくりと時間をかけて見たことがない人たちなんだろうなと思いました。

その瞬間は確かに月はひとつですが、あたりを歩いてみましょう。すると、月は次々に田んぼを移動していきます。結果的にすべての田んぼに月が映ることになります。

それともうひとつ。時間が経てば月が次々に田んぼを移動していきます。

「田毎の月」の本質は、「同時にすべての田んぼに月が映る」という特殊現象(超常現象)ではなくて、「田んぼの水に月が映った光景を見て、美しいなぁと思う感性」にあるのだと思っています。

この言葉の持つ世界観を理解しようとしないかぎり、言葉は生きてきません。科学的には「嘘」として切り捨てられてしまっては寂しすぎます。

空間だけではなく、時間も考慮すると、この「田毎の月」が見えるようになります。嘘ではないのです。と言うよりも、芸術作品を科学で論じてもあまり意味がありません。ピカソの絵を見て、顔の向きがおかしいとは言わないのと同じです。「田毎の月」はピカソの絵と同じ多視点の表現なのです。

フランスの画家、マルク・シャガールは、人から「現実ではなくて想像上の物を描いている」と言われるのが嫌いで、「心的現実を描いている」と反論したそうです。「田毎の月」も同じ、心的現実(心象風景)を描いたものと言えるでしょう。

調べたわけではありませんが、田んぼの水に月を映して鑑賞する文化を持っているのは日本だけなのではないでしょうか。もしかしたら中国にはあるのかもしれませんが、今のところ俺は知りません。

月見の慣習自体は中国から入ってきたものらしいのですが、Wikiには、「平安時代頃から貴族などの間で観月の宴や、舟遊び(直接月を見るのではなく船などに乗り、水面に揺れる月を楽しむ)で歌を詠み、宴を催した。また、平安貴族らは月を直接見ることをせず、杯や池にそれを映して楽しんだという。」とあります。

それと少なくとも複数の田んぼがある棚田が前提です。たとえばタイやベトナムの広大な水田に月が映ってもそれほど特殊な感情が沸き起こるのかどうか。やはりここは狭くて小さな棚田の田んぼだから趣があるのではないかと思います。

「すべての田んぼに月が映る」というのは、日本人の心象風景なのです。写真では難しいけど、俳句や絵では可能になる。

日本人の発想で面白いと思うのは、つまり田んぼそれぞれ、ひとつづつが、全世界であり、全宇宙であるという感覚です。

小さい田んぼが「全宇宙」とは大げさだ、と反論されるかもしれません。

でも、日本人にとって、大きさは関係ないのではないかと思います。小さな1枚の田んぼに生きている植物や小動物たち、そして水が循環し、2千回も稲を作り続けている。

極端に言えば、「すべてがそこにある」のです。それが日本人の世界観、自然観ではないかなと思うわけです。最近欧米でもてはやされている盆栽なんかもそうですね。大きな自然をわざわざ小さい自然に作り変えている。日本人にとっては同じなんですね。大きくても小さくても。1枚ごとの田んぼがひとつの宇宙だということの表現ではないかなと思うのです。すべての田んぼに月が映ってほしいという願望でもあるのではないでしょうか。

なんだか言い訳のようになってしまいますが、けっきょく、俺の「田毎の月」の写真というのは、文化的解釈をして、心象風景を写真にしているので、複数の月が映っていなくても問題ない、ということを言いたいわけですよ。
 
 
 
Ya_2満月「スーパームーン」も水鏡に映してみる(2015/09/29)

Ya_2イベント「旧暦のリズムで棚田を味わう」で話した「田毎の月」について(2014/11/08)

Ya_2写真ギャラリー「田毎の月 & 田毎の星」(◆オリザ館(アジアの棚田)◆)


 
 
 
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2013/05/20

映画 『ファミリー・ツリー』(原題:The Descendants) を観て

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映画 『ファミリー・ツリー』のオフィシャルHPはこちらで。

http://www.foxmovies.jp/familytree/

「ハワイ・オアフ島に生まれ育った弁護士のマット・キング(ジョージ・クルーニー)は、美しい妻と二人の娘たちと何不自由なく暮らしていた。ところが──ある日突然、ボートの事故で妻が昏睡状態に陥ってしまう。さらに妻には恋人がいて、離婚を考えていたことが発覚、長女までがその秘密を知っていた。折しもマットは、カメハメハ大王の血を引く先祖から受け継いだ広大な土地の行方について決断を迫られていた。売却すれば一族に巨額の富が入るが、大自然は失われる。家族とルーツ、二つの重大な問題に向き合ったマットが選んだ道とは──。」(HPより)

昏睡状態に陥ってしまった妻に実は恋人がいて、離婚されそうだった事実がわかったり、娘たちが敵対的であったり、深刻な話でもあるんですが、ずっと映画にはハワイアン音楽が流れていて、軽さと明るさとユーモアがあふれていて、家族の絆を取り戻してゆく、心があったかくなる映画でした。

マットは先祖から受け継いだ土地を売ってしまうのか。いったん開発されたら永久に大自然は失われてしまいます。たぶん、この妻の事故がなかったら、マットの決断も違ったものになっていたのではないでしょうか。人生は何が起こるかわかりません。

映画の結末から考えると、妻は自分の命をかけてマットにメッセージを送ったともいえるのかもしれませんね。

原題のDescendantsは「子孫」、Family treeは「家系」。いずれも代々受け継がれていくもの、いかなければならないもの、と解釈すればいいのかもしれません。家族や土地を、です。

ところで、長女のボーイフレンドというのが人を食った青年シドで、最初は「なんだこいつ」という悪印象を持つキャラクターなのですが、だんだんと意外といいやつで、家族にとってかけがえのないアドバイザーというか協力者になっていくのでした。いいかんじの登場人物でした。
 
 
 
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2013/05/18

富士山の見える棚田(8) 静岡県小山町 吉ヶ島の棚田&竹之下棚田の逆さ富士

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先週も訪ねた静岡県小山町竹之下棚田は、馬伏川沿いの島状の棚田(吉ヶ島の棚田と呼んでいるのでしょうか?)とは別の棚田だったんですね。吉ヶ島の棚田を耕作している農家は、川のこちら側(竹之下棚田)とは別集落とのことでした。だからこちら側でむこうの棚田について聞いても、あまりわからない様子でした。

この日の朝、うっすらと靄がかかったようで、富士山もはっきりしませんでした。竹之下棚田の逆さ富士は、それなりに悪くなかったとは思いますが。

ところで、吉ヶ島の棚田を撮影している場所は、崖っぷちのあぜ道なのですが、田んぼには水が入っていません。どうしてかというと、洪水で崖がえぐられて、田んぼが水漏れして米が作れなくなったからだそうです。

いつ崩れるか心配だと地元の人は言っています。知らないのはカメラマンの俺たちばかり。けっこう危険な撮影場所なのかもしれません。

「自己責任でどうぞ」と言われました。
 

 
 
 
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2013/05/16

富士山の見える棚田(7) 静岡県御殿場市 夕景&田毎の月

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先週に引き続き、今週も富士山が見える棚田に行ってきました。これは先週おばあさんの写真を撮らせてもらった棚田です。

2回とも夕方は雲が出て、すっきりとした富士山ではなかったのですが、逆に雲で変化が生まれて写真的にはよかったかもしれません。

それと、旧暦四月五日の月の光が稲の間に映りました。五日月がまん丸の光になっているのは、シャッタースピードが長いためです。

Ya_2写真ギャラリー「田毎の月 & 田毎の星」(◆オリザ館(アジアの棚田)◆)

 
 
 
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2013/05/13

富士山の見える棚田(6) 山梨県忍野村 内野の田んぼの逆さ富士

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山中湖の北側にある山梨県忍野村の内野には広々とした水田が広がっています。

傾斜は緩やかで、厳密に言えば「棚田」とは呼ばないかもしれませんが、富士山を正面に見た水田は開放感があってとてもいいところです。気に入りました。

この日(5月8日)、風があってなかなか水面が静かにならず、「逆さ富士」は難しかったです。それでも波が収まった瞬間を待って、なんとか80パーセントの「逆さ富士」を撮ることができました。

ここも今週ころ田植えをやっているのではないでしょうか。
 
 
 
 
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2013/05/12

富士山の見える棚田(5) 静岡県小山町 「あらぎ島型棚田」の「竹之下の吉ヶ島棚田」

130511_1(静岡県小山町竹之下馬伏川沿いの棚田)

130511_3(和歌山県有田川町あらぎ島棚田)

静岡県小山町の竹之下棚田(馬伏川沿いの吉ヶ島の棚田)は、和歌山県有田川町の「あらぎ島」と似ている川沿いの棚田です。規模は「あらぎ島」よりも小さいですが、背後に純白の富士山が見えることで、こちらも「あらぎ島」と負けてはいません。

今年11月の第19回全国棚田(千枚田)サミットは、和歌山県有田川町で行われることになっていて、俺も写真講演をする予定ですが、ぜひ、この写真も使いたいと思います。地元の人はどう反応するか、興味のあるところです。

もう一ヶ所、この「あらぎ島型棚田」を見た記憶があります。たしか大分県あたりだったと思います。(写真を探せば出てくるはず)

こういう特徴的な形の棚田は全国的にも、いや世界的にも珍しいので、「姉妹棚田」というのがあるのかどうか知りませんが、何か「あらぎ島型棚田」で繋がりができたら、面白いのではないかなと思います。

 
 
 
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2013/05/10

富士山の見える棚田(4) 山梨県南アルプス市 富士山と甲府盆地を望む中野の棚田

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山梨県南アルプス市中野の棚田は、東側に向いた斜面に広がる棚田で、開放的な雰囲気です。

旧暦三月二十九日(今年新暦5月8日)の早朝、「有明の月」が昇りました。これは来年の「旧暦棚田ごよみ」でも使えそうだなと思いながらシャッターを切りました。

小さくてわかりづらいのですが、かろうじて田んぼに三日月が映る「田毎の月」です。もう少し高く上がれば月が水田にしっかりと映り込むのですが、そうなると今度は明るくなりすぎて、月が見えなくなってしまいます。なかなか「田毎の月」を写真にするタイミングが難しいのです。

富士山が見える棚田ではやっぱり「逆さ富士」を探してしまいますね。「田毎の月」もそうですが、見ることができるのは、1年で今の時期だけ。田植え後2週間もたてば水面がだんだん隠れていくので、富士山も月も見えなくなってくるからです。

中野の棚田で、上の方にある田んぼのおじいさんと話をしたら、前日までの強風で、落ち葉を片付けるのが、1日かかったといっていました。おじいさんの田んぼは今月中旬に田植えをするとのこと。

ところで、農家の人に迷惑がかからないように、棚田のそばには駐車場がないので、約500m離れた108号線にある駐車スペースに停めることをお勧めします。
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
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2013/05/09

富士山の見える棚田(3)  静岡県富士宮市 柚野の逆さ富士

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富士宮市の柚野というのはいいところですね。

もちろん田んぼも多いのですが、それと気に入ったのは、ロケーションです。

富士山の南西側で、富士川の支流、芝川に沿った集落と田んぼがちょうどいいかんじでまとまっています。道祖神も点在し、歩くのも楽しそうなところです。

柚野の公民館が情報センターみたいになっていて、いろいろ親切に教えてもらいました。観光地図には棚田もちゃんと載っていました。

ところで、田植え直後の田んぼで、「逆さ富士」を撮っていると、集団下校の小学生たちが通りかかり、「こんにちは」と挨拶されました。「不審者にはこちらから挨拶をする」、これ、防犯の基本ですね。
 
 
 
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2013/05/08

富士山の見える棚田(2) 静岡県御殿場市 棚田のおばあさん

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朝から快晴で、今日一日富士山がよく見えました。

早朝は山梨県南アルプス市の棚田で、「有明の月」と田んぼの写真を撮ってから(この写真はあとでアップします)、富士山を1周して、富士山が見える棚田を探しました。

有名なところも周りましたが、この掲載の写真は御殿場市を通過したとき、偶然にでくわした風景です。

富士山の雪が一番多いのが5月だそうですが、純白の富士山と水を張った田んぼは美しく、思わずわき道に入っていきました。

ちょうどおばあさんが仕事をしていました。

あとで、プリントを送るために、おばあさんの名前を聞いたら「めずらしいんですよ」と教えてくれた漢字2文字は、中国の棚田のある地名でした。(もちろん読みは違いますが)

そのことを言ったらびっくりしてましたが、その棚田のポストカードもいっしょに送ることにしました。

俺には嬉しい偶然です。まさに棚田との出会いなのでした。自分の名前が付いた棚田のポストカードをもらって喜んでくれるでしょうか。
 
 
 

 
 
 
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2013/05/07

富士山の見える棚田(1) 山梨県富士川町 平林の棚田

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今回は、山梨県と静岡県の富士山が見える棚田の撮影に来ています。

まるで先日の「【富士山と信仰・芸術の関連遺産群】が世界文化遺産に」のニュースに合わせたような撮影旅になってしまいましたが、去年の栃木県、茨城県の棚田の撮影に始まって、近場の棚田を全部周ってみようという一環の撮影なのです。と、なぜ言い訳をしているんだろうか。

まず今日は、富士川町の平林の棚田。ここはオーナー制度もある棚田ですが、役場で聞いたら、田植えはまだ早いと聞いていて、実際水が入った田んぼは少しだけ。田植えはこれからです。

今日の富士山は午後から雲が出てきましたが、なんとかその勇姿と棚田の写真は撮ることができました。時間があれば再訪するかもしれません。水がなくても、この集落と富士山の位置関係は気に入ったし、それと気象条件でいい写真が撮れそうな予感がします。 
  
 

  
  
 
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2013/05/05

今日は、二十四節気の「立夏」 七十二候の「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」

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今日、2013年5月5日は、二十四節気の「立夏」です。

NPO法人棚田ネットワークの会報誌『棚田に吹く風』に、今年度1年間、「棚田ごよみ 二十四節気」を連載することになりましたが、この2013年春号に「立夏」について書いています。

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【山口県長門市東後畑の棚田】

毎年5月5日ころは二十四節気の「立夏」で、田植えの直前だ。

立夏の期間の七十二候の初候が「蛙始鳴(かえる はじめて なく)」。

夢中になって夕景を撮っていて、ふと気がつくとあたりが暗くなり、自分ひとりだけになっている。

そんなとき蛙が鳴き始める。蛙でも寂しさがまぎれるのはありがたい。

鶏もそうだが、いっせいに鳴いていっせいに鳴き止む。何がきっかけなのだろう。

中にはフライングをして鳴き始める蛙一匹。

みんなと同じにできないやつはどこにでもいるものだ。

そんな蛙に親近感を覚えながら漁火を遠くに見ながら暗い棚田をあとにする。

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会報「棚田に吹く風」についてはこちらで。

http://www.tanada.or.jp/tanadanetwork/backnumber/
 
 
 
 
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2013/05/04

福音館書店の雑誌「母の友」6月号に「アジアのお米」の特集

130504_1(スリランカの米食品「アーッパ」)

130504_2(マレーシアの青いご飯「ナシクラブ」)

130504_3(イランの「チェロウ・ケバブ」)

雑誌「母の友」(福音館書店)、2013年6月号で、「アジアのお米」を特集しています。将来的には1冊にまとめようと思っているテーマです。

今まで訪ねた世界の「米食国」から、中国、マレーシア、ミャンマー、スリランカ、イランの棚田の風景と米食品を取上げています。

イランのご飯「チェロウ・ケバブ」やマレーシアの麺「クイティオ」は、同じ材料は手に入らなくても、「それらしく」簡単に作れるようなレシピで紹介しています。

写真は雑誌に掲載したものとは違いますが、上の写真はスリランカの「アーッパ」です。お椀のクレープ状態になった米食品です。これを焼く専用の小鍋を売っていたので買ってきて挑戦していますが、いまだに成功していません。どうも、発酵のさせ方が悪いらしい。現地の人がやっているのを見たとき、「これなら俺もできる」と思って衝動買いしたのでしたが、甘かったようです。

中の写真はマレーシア東部、タイとの国境にも近いコタバルで食べていた「ナシクラブ」。チョウマメという豆の花の汁で色づけしたもので、いろんな惣菜といっしょに食べます。

今までいろんな米食品を食べて、撮ってきましたが、「青い食品」というのはとてもめずらしい。だいたいにして、食品で「青」というのは、食欲がわかないのではないでしょうか。

5日間ほど「ナシクラブ」を食べ続けましたが、どうも「色」にこだわるのは俺ばかりで、現地の人たちは「いい香りがする」といったところをみると、香り付けするためにチョウマメをつかったら、(たまたま)青い色になったということなのかもしれません。残念ながら最後まで俺にはその「香り」はわかりませんでしたが。日本に初めて来た外国人が「炊き立てのご飯の香り」がわからないのと同じかなぁとも思います。

下の写真はイランの一般的なご飯「チェロウ」。焼肉のケバブとの相性は抜群です。ケバブの後ろ、黒っぽい塊は焼いたトマトですが、これとバターとご飯を混ぜて食べるととてもおいしい。

とにかく、アジアでは米はいろんなふうに食べられていて、驚くと同時に、楽しくなってきますね。だから、俺はあまり「銀シャリ」だけにはこだわらなくなってきました。米食文化の多様性という点から、アジアの米の使い方には将来への可能性を感じます。
 
 
 
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2013/05/03

映画 『ヒミズ』 を観て

130503(2011年4月 岩手県陸前高田市)

【ネタバレ注意】

この映画には原作があります。俺は原作は知らないので、「映画ヒミズ」のことしか語れないし、むしろ「映画ヒミズ」を先入観ナシで観ることができてよかったなとも思います。

ほとんど何も知らない中で観た感想ですが、これは被災地に対する応援歌でもあるんだろうな、というのが第一印象でした。冒頭のシーンはあきらかに被災地の瓦礫でした。あとで、震災があって、脚本が書き換えられたらしいということも知りました。

まぁ、そこはあれだけの大惨事がおきたわけだから、これに触れないで映画を撮ることも難しかったんだろうなと思います。いやあえて、今は触れなきゃならないと思ったのかもしれません。「震災後」という原作とは決定的な時代の違いがあります。

「被災地に対する応援歌」という部分には共感します。ただ・・・

主人公スミダは、父親を殺してしまいます。まぁ、こんなひどい父親がいるのかというくらいひどい父親です。ただやっぱりここまで暴力シーンが多いと、ちょっと引いてしまいます。スミダを殴れば殴るほど、父親の姿が芝居っぽく見えてきて、俺の中ではリアリティを失っていきました。

親を殺してしまうような憎悪は、意外と、この父親のようなわかりやすい暴力からは生まれないのではないかなと思っているからです。動機が単純すぎるかなと。

スミダは自暴自棄になって、自殺まで考えます。

でも、すべてを失い、どうしようもないところまで落ちても、「再生はできる」と、盛んにメッセージが送られてきていました。女の子のせりふを通して。

だから映画の最後で「がんばれ!」という、一番聞きたくないセリフを臆面もなく叫ぶふたりに、白々しさよりも、ストレートな魂の叫びにも聞こえ、もしかしたら、俺は、このストレートさを失っているのではないかなと感じました。

言葉はなんでもいい。「がんばれ」だろうが「ばかやろう」だろうが「わーっ」だろうが。この叫びが俺にも欲しいのです。

ところで、あそこまで女の子に献身的に支えてもらうことができるスミダは、この時点ですでに幸せ者だと思いますが。
 
 
 
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2013/05/02

「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」が世界文化遺産に

130502(羽田発佐賀行き飛行機から撮った富士山)

121115(霞ヶ浦で撮った富士山)

ユネスコの諮問機関であるイコモスが、富士山を世界文化遺産に登録するよう勧告したというのが大きなニュースになっています。

正式には6月に開かれる世界遺産委員会で決定しますが、ほぼ決まりそうです。

ゴミの問題などがあったので「自然遺産」での登録ではなく、「文化遺産」での登録を目指して進めてきたのがよかったのでしょう。富士山は美しいですが、世界中に美しい山はたくさんあるわけで、特別なものではありませんが、文化的な価値を考えると、特別なものになります。「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」という名称です。

日本人にとっては、象徴的な存在でもあるので、もし「不記載」だったら、精神的ショックは大きかったのではないかなと思います。

一方、同時に推薦されていた「鎌倉」は、「記載」「情報照会」「記載延期」「不記載」の4段階のうち、最低レベルの「不記載」が適当との勧告になってしまいました。

でも以前、石見銀山が「記載延期」から一転、世界遺産に登録されて驚いたことがありましたが、鎌倉はどうでしょうか。いったん委員会で「不記載」になってしまうと二度と登録はされないので、とりあえず今回は委員会への推薦取り下げを選択するのかもしれません。
 
         ☆
 
世界遺産に正式に登録されました。

Ya_2「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に正式登録(2013/06/23)
 
 
 
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2013/05/01

NHK BSプレミアム「美の壷」で棚田特集があります

130501_1

130501_2

130501_3(この姨捨棚田の写真は番組とは関係ありません)

NHK BSプレミアム「美の壷」で棚田特集があります。棚田の風景と棚田にかかわる多くの人々が登場するようです。「棚田の美」をいろんな角度から探る番組になるのではないでしょうか。

青柳も写真とインタビューで少しだけ登場します。インタビューを受けるために長野県千曲市姨捨(おばすて)棚田まで行ってきました。

ディレクターさんに「あおやぎさんは言葉の選び方がじょうずですから」などとおだてられながらしゃべったわけですが「棚田の美」に対する思いをうまく言えたかなぁ? 不安です。キーワードを言うのを、忘れてしまったような・・・

姨捨棚田は、ようやく土を耕し水を田んぼに入れ始めているところでした。

放送は2013年5月24日(金) 午後7:30~ (再放送あり)

NHKのHP  鑑賞マニュアル「美の壷」
 
 
 
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