「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に正式登録
富士山が世界遺産に正式に登録決定されました。「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」という正式名称の文化遺産です。三保松原も含まれます。
三保松原に関しては、構成要素からはずすように言われていましたが、「遠い」という理由ではずされるのは納得できませんでした。
文化遺産なんだから、ちょっとでも富士山が見えるところで文化的かかわりがあるなら、構成要素であってもおかしくないわけです。45kmなんて遠くないでしょう。そこを理解してもらったのも良かったと思います。関係者のぎりぎりまでの説得の成果ということでしょう。
ところで富士山が登録拒否されていたら、けっこう日本人のプライドが傷ついたんじゃないかなと思います。日本人の「文化」が否定されたような気になったかもわかりません。
個人的にも良かった。これで週刊誌のグラビアに「富士山が見える棚田」の写真が載ることになったので。これ、完全に便乗商法です。富士山の世界遺産登録に便乗して、棚田の宣伝をするいい機会なのです。
富士山は聖なる信仰の山であると同時に、ふもとの人にとっては日常的に見ている身近な山でもあります。とくに農民は春に現れる富士山の残雪の形「雪形」を見て農作業を行っていました。有名なところでは富士北麓から見える「農鳥」があります。富士山は「自然暦」の役目も持っていたのですね。
世界の「文化遺産」である富士山、そして先祖代々、自然とともに作り上げてきた農民の「文化遺産」である棚田。ふたつの「文化遺産」の競演、棚田ごしに見る富士山は、瑞穂の国、日本らしい風景といえるのではないでしょうか。
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