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2013/07/25

2013年8月2日「棚田学会大会シンポジウム」  今年のテーマは「棚田と観光」

130725(中国雲南省元陽 多依樹の棚田)

今年の棚田学会大会シンポジウムのテーマは、「棚田と観光」です。

2013年8月2日(金)
三越劇場(東京日本橋本店6階)

パンフレットpdf (棚田学会HP)

今年、中国雲南省「紅河哈尼棚田群の文化的景観」が世界遺産に登録されたニュースは、富士山の世界遺産登録に沸く日本国内では、あまり目立たないものになってしまいました。

雲南の棚田を見続けてきた棚田関係者にとっては、これはけっこう大きなニュースです。

世界遺産の登録名にはひっかかるものを感じますが(それについては先日の記事参照)、その問題はおいておくことにして、棚田と観光ということで言えば、雲南省元陽と広西チワン族自治区の龍勝は成功している例でしょう。

中国の場合、ほとんどは観光発展の目的で世界遺産の登録を目指しているらしいので、これは当然の結果といえるかもしれません。

ただこれからは現地の若い人たちはますます都会に出たがるだろうし、棚田がちゃんと維持されるのかどうかわからない部分があります。

フィリピンのバナウエ棚田もそうだし、ベトナムのサパも棚田を観光に生かしているところですが、サパのモン族は、観光土産を作るのが忙しくなって田んぼをやっている時間がなくなってきたよ、などと、本末転倒なことも言っていました。

とにかく、今まではある意味「負の遺産」とも考えられてきた棚田が、逆に現代になって価値を認められ、年間何万人もの観光客を集めるものとなったことに、とりあえずは嬉しく思います。

それだけの集客力のあるものに対しては、対価を払うのが常識です。その点、中国、ベトナムで、観光客から「入村料」を取るのは当然だとも思います。

でも、日本はどうでしょうか? どうも、棚田などの田園風景は、「自然にできた」と思い込んでいるようで(農家の人たちの日々の努力があってこそなんですが)、「料金を取る」ことに違和感を持つ人が大半です。せいぜい「棚田米」や現地の農産物を買うことで、かろうじて普通の観光客は経済的な支援をしているかっこうです。

まぁ、日本人の心情からすれば、観光客の方も、農家の方も、そのほうが気持ちが楽なのかもしれませんが、「棚田は観光地」と認める棚田なら、積極的に入場料を取ってもいいと思います。

たとえば、福島県の「滝桜」でもちゃんと「観桜料」を取っています。棚田の保全も、ただではできないことを、アピールしていってもバチは当たらないでしょう。そのあたり、棚田学会大会でも議論されることを期待します。
 
 
 
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