ネパールの撮影旅 2013年秋 (10) 湖に面したネパールの棚田と海に面した日本の棚田
たまたま今回は、地図上の広い棚田が、見た目もすごかったという例で、必ずしも、地図上の広さが写真的にいいところなのかどうかは現場に立ってみないとわかりません。
その棚田を見る場所というのが重要になってきます。これは自然が与えてくれた「運」みたいなものです。
だから意外とこじんまりしていても、写真的に良かったりということは良くあることで、日本の棚田なんかはそのいい例ではないでしょうか。それほど大きくなくても美しい棚田はいっぱいあります。
石川県輪島市白米千枚田は、日本海に面していて、日本らしい棚田です。和歌山県有田川町あらぎ島の棚田は、形が面白い。
村で出会った人たちに、白米千枚田と、あらぎ島の棚田のポストカードを見せました。その反応を見ているのがけっこう楽しい。ああでもない、こうでもないと、興味はあるようです。
見せたのはこの写真のポストカードです。
ネパールと似ているなぁというのがみんなの感想でした。とくに、近くに湖があったので、背景に海が見える白米千枚田の写真は、そっくりだというのです。俺もそう思いました。一番上の写真が、湖を背景にした棚田です。
細かいところも気になるらしく、「この横棒はなんですか?」と聞かれました。ハサかけ用の棒のことでした。「これに稲をかけて、天日乾燥させるんです」と説明しました。「ネパールでは、こういったものは使わずに、刈った稲は地面にそのまま置いて乾燥させます」といいました。ネパールで「ハサかけ」はないようです。
もうひとつ、「稲がやたら短いようですが」といいました。たしかにこのあたりの稲の高さは1m50cm~1m70cmくらいもあって、非常に背の高い稲でした。「風の被害を少なくするために品種改良して短くなったんです」と説明しました。
それから、あらぎ島の棚田のほうは、「インド人もビックリ」というのがありましたが、ネパール人もびっくりしたらしく、「なんでこんな形をしているんですか?」と聞くので、「川が湾曲しているところに作られたからです」と説明しました。「ネパールにはありません」といいましたが、ネパールで、くまなく棚田が調査されて、どこにどんな棚田があるなんて把握されているとも思わないので、この広い棚田の国で、探せばこういった形の棚田は将来「発見」されるかもしれません。
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