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2013/11/11

和歌山県有田川町で開催された第19回全国棚田(千枚田)サミット

131111_1(開会式の会場:吉備中学校体育館)

131111_2(第2分科会「梯田(棚田・段々畑:条件不利地域における土地利用)の意義と保全)

131111_3(地元学生の絵の展示)

131111_4(全体交流会でのマグロの解体ショー)

131111_5(交流会で出された地元の各種寿司:わさび寿司・芭蕉寿司・柿の葉寿司・なれ寿司)

2日間とも天気に恵まれ、全国から800人以上の棚田関係者が集まり、第19回全国棚田(千枚田)サミットが無事に終わりました。

開会式のあと、俺は基調講演でネパール・マダガスカル・スリランカ・イラン・日本・中国・フィリピンの棚田を写真を使って報告しました。

最後、〆の言葉はいつも成り行きなのですが、今回は「棚田界のインディージョーンズになりたいです」と言いました。今まで言ったことはありません。でも、言ってしまってから、そうだよなぁと自分で納得してしまいました。

俺にとって棚田撮影旅行は、宝物探しのような感覚もあります。新しい美を見つけ、棚田を知らない人に、棚田の魅力を発信し、関心を持ってもらうこと。それこそが俺にできることだし、求められていることでもあるのでしょう。

懇談会で話をうかがったある棚田を作っている会の代表は、Iターンで棚田を作り始めた方でしたが、最初は感動、感激があるが、毎年毎年棚田を作っていると、感動、感激は薄れてくる。でも、それに代わって感じるようになるのは「安らぎ」だというのです。

耕作者は、美しくしようとして棚田を作っているわけではなく、いっしょうけんめいにやっていると、耕作者の生き様が景観に現れてきて、結果として美しくなるのではないか。

そんな話を聞いて、「棚田が美しい」というのは、部外者の言葉だなぁとあらためて思いました。ただ、ここで、だからこそ部外者の目が必要でもあるのかもしれないとも思ったのです。農村と都会との補完関係といってもいいでしょう。

閉会式の前に、分科会のまとめがありましたが、「棚田を守る」というだけでは駄目で、「棚田の新しい価値を創造する」という積極的な活動が必要ではないか、という話に共感できました。

「棚田はなくなる」「高齢化が進んで耕作放棄地が増える」と嘆いてばかりいてもしかたありません。むしろ「なくなる」ことで棚田の価値に気がついた10数年前と同じように、今の危機は、ある意味チャンスかもしれないのです。

そこで希望の光が見えるのは、全国で、学生ボランティアたちによる棚田での活動が注目され始めていることです。

今回サミットの舞台になった有田川町の「沼の棚田」で活動する和歌山大学観光学部や、和歌山県立有田中央高等学校の学生たちの事例発表もありました。

他にも静岡県松崎町「石部の棚田」や、菊川市上倉沢の「せんがまち」などでも学生たちがかかわっていています。

若い人たちが棚田にいる風景というのはいいものですね。

「棚田を守る」というのは象徴的な意味もあって、先祖から受け継いできた「日本人の知恵」の肯定でもあり、同時に「日本人の未来へ向けての新しい価値観の提言」でもあると思いました。
 
 
 
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