東北の咲【わら】う桜 (28) 福島県南相馬市 小高中学校・小高工業高校・小高商業高校
南相馬市小高地区の、中学校、高校がある高台へ行ってみました。
桜がきれいに咲いていました。もちろん学校は閉まったままでしたが、時々、車でやってきて、写真を撮っていく人がいました。とくに若い人が多かった。卒業生ではないのでしょうか。
ひとりの奥さんが携帯で写真を撮っていました。話を聞いたら、彼女の息子さんはこの小高工業高校の卒業生で、桜の写真を撮って遠くにいる息子さんに送ってあげるとのこと。
彼女はここが警戒区域だった1年のうち、3回だけしか、一時帰宅できなかったそうです。警戒区域が解除されたのですぐやってきました。これから除染作業者がたくさん入ることで、治安が大丈夫なのか?という心配をしていました。
「一応、暴力団は入れないとは言っているけど、どうかわからない。中には悪い人もいるでしょう。夜、空き巣に入るかもしれない。作業員を疑って悪いけど」
これが本音です。放射能の心配だけではありません。そもそも原発事故がなかったら、盗難の心配までする必要がなかったのです。
実際、盗難事件は多かったようです。津波と違って、家財道具は家にそのまま残っているので狙われたのです。別の住民には外国人の泥棒もいた、という話も聞きました。
住民の間では、そういうことが心配されているということを知って、当事者でないとわからないことがあるんだなとあらためて思いました。
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