安心と同時に畏れを感じる緑色について
山脇恵子著『色彩心理のすべてがわかる本』に緑色について書いてあって、そういうこと?と少し納得できるものが・・・。
緑というのは、初期の哺乳類が樹上で生活するようになって初めて獲得した色覚ではないかという説があるそうです。それは緑の木と、背景の空の青とを区別できないと、木から木へ移動するのも大変だったからみたいな話です。
哺乳類が獲得してきた色への反応は、だから、次の様になるそうです。
緑→青→赤
哺乳類にとって緑は生活の場の色であった、だから落ち着くのではないかという。緑色の田んぼの風景や、森の緑を見ると落ち着くし、緑色は目に優しい感じがします。
ただ、反対の話もあります。
日本映画の『ゴジラ』が昔アメリカで公開されたとき、日本人がアメリカのポスターをみてびっくりしたという話があって、なぜかといったら、ゴジラが緑色していたというのです。日本映画はモノクロだったので、色はなかったのでしょうが、カラー作品になっても、緑色したゴジラは想像できません。(日本では、黒かこげ茶色?)
じゃぁどうして勝手にゴジラを緑色にしてしまったのか?
欧米では、「怪物は緑」という伝統があるかららしい。たしかにハルクやシュレックなどはそうですね。またロビンフッド、ピーターパンの衣装が緑色なのは、つかみどころのない「不思議さ」、自然のように「人の支配を拒む力」などの象徴としての緑色であるらしい。
そういえば、あの『マスク』の仮面も鮮やかな緑色だったし、レディー・ガガが全身緑色の姿で来日したときもありましたが、印象に残っています。
こうみてくると、緑色に対しては、相反するようなものが同居していることが分かります。ひとつは「安心感」、それと「不思議さ」「怖さ」みたいなもの。
でも、考えてみれば、「畏怖」という言葉がありますが、まさに自然に対して絶対的な安心と同時に畏れを感じるように、緑色は、自然そのものであると解釈することもできそうなので、矛盾する話ではないのかもしれません。
レディー・ガガも「どうして緑色の衣装?」と聞いたら、「自然環境のため」と答えていました。今回はビーナスをイメージしたというシースルーの大胆衣装。レディー・ガガは緑色じゃなくても不思議な存在ですが。
にほんブログ村
| 固定リンク
コメント