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2014/09/29

香港民主派デモ隊"中環(セントラル)占拠"のニュース

140929(香港中環(セントラル)付近 1984年)

「中環占拠」開始=デモ隊が幹線道路遮断-香港民主派
「【香港時事】香港民主派は28日、金融街の中環(セントラル)地区を占拠して行政長官の選挙制度民主化を求める街頭行動の開始を宣言した。数万人の民主派デモ隊が、中環に隣接する地区にある政府本部付近の幹線道路を占拠。中環など香港島中心部の道路交通は大混乱に陥った。」(Nifty NEWS http://news.nifty.com/cs/world/worldalldetail/jiji-2014092800133/1.htm 参照

まだ香港がイギリス領だったころ、1984年から90年代にかけて、中国大陸へ入るために、よく香港を訪れていました。

アジア独特の混沌と猥雑さ、そして同時にどこか近未来的な匂いも併せ持った街が、香港の魅力でした。最初は中国大陸への通過地点という意識でしたが、偶然にも学生時代の親友が香港に海外勤務になったということもあり、香港は単なる通過地点ではなく、香港自体に興味を持ったのでした。

この時期、香港の若者にも中国大陸旅行ブームが沸き起こり、大陸を旅行中は、よく香港人といっしょになる機会も多く、また、彼らは半分中国人、半分外国人という特殊な立ち位置でもあったので、彼らと行動をともにすることで、中国の深いところを見せてもらったということもあります。

当時大陸を旅行中の香港人は「俺たち外国人は・ ・ ・」と言っていたのが印象に残っています。俺から見たら、「香港人も中国人だろ?」という感覚でしたが、香港人にとっては、「大陸人とは違う」ということを強烈に意識していたような気がします。とくに「生活水準」と「自由」について、香港人は優越感を持っていました。

だから時々、大陸人と香港人のいざこざを見ました。俺は外国人だという顔をして、好き勝手に振舞い、大陸人をさげすむような人間もいて、大陸人にとっての香港人は、ほかの第3国の外国人とは違った見方をされていたようです。「同じ中国人のくせに外人面しやがって」というセリフを聞いたのも、1回や2回ではありません。

そして6.4(1989年の天安門事件)が起こり、香港人の中国大陸旅行熱は一気に冷めたのでした。いずれ香港でもこういうことが起こるのでは?と予感した香港人もいたかもしれません。

香港が中国に返還されて、高度な自治はそのまま維持されてはきましたが、徐々に共産党色が浸透してきているのは、傍から見ていても感じるものでした。「民主主義的」な環境で暮らしてきた香港人が、いまさら一党独裁を受け入れることは想像できません。

中国は、新疆のウイグル問題やチベット問題を抱えていますが、民族問題よりは、むしろ都市と地方の格差、貧富の格差や、この政治の民主化の問題ということがボディブローのように効いてきて、中国がふたたび混乱へ向かうのではないかという予感のようなものが、ニュース映像から伝わってきます。

6.4(1989年の天安門事件)を連想させる映像なのです。
 
 
 
 
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