2014年夏 インドネシア・バリ島の旅 (14) ジャコウネコの糞から採った幻のコーヒー「コピ・ルアック」
インドネシアのコーヒー生産量は世界第3位(米国農務省統計)ですが、日本はブラジル、コロンビアに次いでインドネシアからの輸入量が3番目に多いそうです(2011年度財務省調べ)。
以前、インドネシア・スラウェシ島のタナ・トラジャにあるキーコーヒーを取材したことがあります。コーヒーには、ロブスタ種とアラビカ種がありますが、高品質のアラビカ種の中でも最高峰といわれるトラジャコーヒーを生産しています。
バリ島には「幻のコーヒー」ともいわれる「コピ・ルアック」の農場が各地にあり、最近人気観光スポットにもなっています。
その中のひとつ、工程見学もできるテガララン棚田の北約1kmにある、Bali Pulimaを訪ねました。
「コピ・ルアック」というのは、ジャコウネコの糞から未消化のコーヒー豆を取り出したもので、独特のコクと香りがあるもの。ジャコウネコの分泌物や糞で味に深みがでるのでしょうか。
糞が奥深い味わいを生むというのは、中国貴州省の牛の糞になりかけの内容物で煮込んだ牛モツ料理で経験があります。「禁断の味」は、病み付きになりやすい?
オランダ植民地時代の18世紀のこと。コーヒー農場の地元の労働者が、ジャコウネコの糞に偶然コーヒー豆をみつけて飲んだのがコピ・ルアックのルーツだそうです。最初に「飲もう」と思った労働者は勇気がありましたね。
Bali Pulimaでは、もちろんコーヒーを買うこともできるし、飲むこともできます。農場のカフェでは、コピ・ルアックは1杯が50,000ルピア(約450円)ですが、バリコーヒー、ココアコーヒー、ジンジャーコーヒーなど8種類のコーヒーが無料で付いてきて試飲できます。
それぞれ個性的な味ですが、やはり濃厚なコピ・ルアックがおいしかったですね。今まで「それなりにおいしい」と飲んでいたバリ・コーヒーがとても粉っぽく感じてしまいました。
最近、このコピ・ルアック人気が出てきて、ジャコウネコを檻に入れ、無理やりコーヒーの実を食べさせて生産しているのが実情らしい。「動物虐待」と非難する人もいるようです。
俺も「動物虐待」は反対ですが、でも、ブロイラーを食べることなどが、どうして動物虐待に当たらないのか、そういうことを突き詰めて考えていくと、虐待かそうではないか、簡単な線引きはできないことがわかります。デリケートで難しいのです、この問題は。
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