「イスラム国動画は映画『セブン』のワンシーン?」のニュース
イスラム動画は映画「セブン」のワンシーン? 巧みな宣伝
(nifty NEWS http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/aera-20141021-2014102000032/1.htm 参照)
ブラッドピット主演の映画『セブン』は何度か観ていますが、イスラム国の人質処刑シーンが似ているとは、俺も感じました。
映画で犯人のジョンが着ていたのも、オレンジ色の囚人服だったからでしょう。
ただ911後、テロ容疑者としてグアンタナモで拘束されたときに着せられていたのもこれと同じもので、イスラム教徒にとっては屈辱の囚人服らしいのです。それとオレンジ色は「ゴミ箱の色」という話も聞きました。だから『セブン』とは直接関係ないのかもしれません。
もし本当に映画を意識しているとすると、イスラム国がキリスト教徒の「七つの大罪」の映画を真似るというのも、欧米を批判しておきながら欧米を真似する、なんだか笑えないパロディでもあります。でも、悔しいけど、そこにイスラム国のリクルート方法の現代性も感じます。
「イスラム国の宣伝ビデオは洗練されている」だの「レベルが高い」だの「巧みな宣伝だ」だのと、識者たちはイスラム国のビデオを持ち上げないほうがいいとは思います。それでなくてもイスラム国を目指す若者が増えているのに。
そんなこと言うならオウム真理教の勧誘ビデオもよくできていたといえるでしょう。技術的なことはそうかもしれませんが、内容は陳腐な物真似でしかありません。
現実問題として、そういった見かけだけに引かれてカルト教団に入信するという人間はいるでしょう。ネットを使えば、世界規模でたくさん集められます。そこが現代的、困ったところです。これに対抗するにはどうすればいいんでしょうか。
ここからは映画『セブン』の話。ネタバレ注意:
映画はキリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件の話です。
最後ブラッドピット扮するミルズ刑事に、「もっとも効果的な方法」で挑発することで、犯人が自らを殺させ、目的を達成するという、やりきれない結末の映画です。詳しいストーリーや、「もっとも効果的な方法」は、Wikiに出ています。
映画では、6番目の大罪は「ENVY(嫉妬)」で、ミルズの妻に嫉妬した犯人ジョンのこと、7番目の大罪は「WRATH(憤怒)」で、ジョンを怒りで射殺したミルズ自身のことでした。
犯人ジョンの本当の動機はわかりませんが、少なくとも「七つの大罪」を完結させることが目的だったとすれば、刑事ミルズがその完結を阻止するのが、一番犯人に対する罰であったはずですが、「理性」と「 感情」との葛藤で、ミルズは「怒り」が勝ってしまいました。そういう意味で、ミルズはジョンに負けたのです。
ジョンから見れば、人間が究極の選択においては、怒りに負けるだろうことは想像していたのでしょう。自分の信念の確認であったのかもしれません。
『セブン』を犯罪ドラマ・刑事ドラマとしてではなく、「人間の心」についての「おとぎ話」と見ることもできると思います。
その見方をすれば、ジョンは(映画でも言っていたかもしれませんが)「神」なのです。映画『セブン』は人間は究極の選択では大罪も犯すということを示した現代版「おとぎ話」。「七つの大罪」とは、宗教を超えた人間の心の本質を表した言葉とも言えるのでしょう。
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