高倉健さんが出演した 『単騎、千里を走る。』 での仮面劇「地戲(ディーシー)」
上に掲載の写真は1988年ころ、貴州省鎮寧郊外の村で撮影した「ディーシー」です。
映画の中で実際に『単騎、千里を走る』を踊っていた人たちは、貴州省西部、安順市の人たちだったようです。(エンドロールにも、そう出ていました)
雲南にも仮面劇がありますが、貴州の方が昔のまま良く保存されていることで有名でした。だから俺もそれを見たくて、春節(旧正月)の時期、安順付近に滞在していたことがあります。
これを「地戲(ディーシー)」といいます。安順市、鎮寧県近郊の村々に伝わる仮面劇で、春節期間中それを見ることができました。
「地戲」は、明朝時代にこの地方に移り住んだ漢族の兵隊たちが娯楽としてやっていたものを、地元の農民が真似てやり始めたのが発端だと言われています。そういうわけで、「地戲」の演目は漢族の物語からとったものが多いのです。『千里走単騎』もそのひとつ。
ところで、「地戲」と呼ぶのは、特別のステージを使わないで、地面の上でやるからです。写真を見てもらえれば、わかりますよね。演者と観客が同じ地面にいます。観客は周りを囲んで見物します。
俺が訪ねた村では、春節の五日目から十五日目まで毎日行われるそうで、その期間、「地戲」を見物に方々から人が集まってきていました。半分はプイ族です。「地戲」は午後3時ころから始まって約3時間続きました。
これと平行して、隣のグラウンドではバスケットボールの村対抗戦が行われていたり、ビデオ館ではスピーカーで放映中のビデオの音を流し若い人たちを呼び込んでいて、たいてい「地戲」を熱心に見物しているのは老人たちでした。
プイ族の若い人たちの一番の目的は「ガンピャオ」と呼ばれる集会です。要するにナンパ大会でした。ここで異性と知り合って結婚相手を探すのですが、今もやっているんでしょうか。こういった習俗は廃れてしまったかもしれません。
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