« フランス人写真家ERIC BENARDの写真集『Marguerite Duras, des journees entieres en Indochine』 | トップページ | JTBのMOOK 『はじめての感動に出会える! 日本の絶景』が出版 »

2014/12/14

ヒトがfacebookにはまる理由

141205

「9000年超前の人骨出土 沖縄で、埋葬の可能性」のニュースがありました。(日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11H6M_R11C14A2CR0000/参照

埋葬と確認されれば、国内最古級になる可能性があるという。「埋葬」というのもかなり高度な文化活動だと思います。

ヒトはどういう生き物か?というテーマは奥が深いですね。

昔は、ヒトは万物の霊長で、特別な存在であるという考えが主流で、「言葉を話す」とか「道具を使える」とか「文化を持つ」特別なサルと習ったような気がします。ヒトを特別視(特権視)したがる考えは今でも健在ですが。

でも今となっては、ヒトを特別視する根拠はなくなっているそうです。「言葉」も「道具」も「文化」も、ヒトに特別なものではなく、他の動物にもあることが証明されて、ヒトと動物は、連続的な存在であるということがわかりました。だから「特別なサル」ではなくて「風変わりなサル」にすぎないというのです。

じゃぁ、ヒトがヒトである最後の砦というか、一番の特徴というのは何なんでしょうか?

それは、「教え教えられる」、「模倣するのが得意」な種であるというところらしい。

そしてもうひとつ、自己と他者の違いはわかりつつ、その垣根を越えて、共感したがるというのがヒトの特徴であるらしい。とくにポジティヴな感情を共有したがるのは。

これを聞いてピン!ときました。

そう、「いいね!」ですね。

どうして「いいね!」(共感)がはやるのかわかった気がします。どうしてヒトがfacebookにはまるのか、です。

facebookのアカウントは持っていますが、この1年はほとんど更新していない俺が言うのもなんですが。

「共感」にそれほど関心が無い性格なので、たぶん俺は典型的なヒトではない、つまり変わり者だということなのでしょう。心的には、類人(チンパンジーやボノボ)に近いのかもしれません。それは否定しません。

実際、チンパンジーは犬よりも社会的サインに鈍感だそうです。他人が何をしようとしているかとか、嬉しそうにしているとかに鈍感で、犬とは違って、他人のことはあまり気にしない個人主義らしいので、このあたりも俺の性格と似ているといえます。

ところで、faceとは何でしょうか? 英語で「顔」「表面」「外見・見かけ」の意味です。

精神分析家の土居健郎氏に「オモテとウラ論」というのがあります。オモテとは対人・対社会関係で外に見せるもの、ウラとは外に見せないで内々にしておくもので、日本の古語では「オモテ」は「顔」を、「ウラ」は「心」を意味していたと指摘しています。

ということは、faceというのは、外に対しての見せかけであって、本心ではないということを暗示しているわけですね。いや、創始者のマーク・ザッカーバーグ氏がそのことを意識してfacebookと名づけたのかどうかはわかりませんが。無意識がそうさせたのかもしれません。

facebookには、たしかに本心・本音は隠し、表面的な部分で「いいね!」しあっているところはあります。見ず知らずの「友だち」にやたらに本心・本音を見せないというのは、動物であるヒトの生存本能としては当然のことでしょう。

俺も本心・本音を見せるのは面と向かって話をする人に対してです。このブログも本心・本音を100パーセントオープンにしているとは言えないし、ましてやネット上だけで知り合った「友だち」に対してオープンにすることはありません。

ただ、本名ではなく、匿名ならまた違ってきます。匿名だったらfacebookでも本心・本音を語れるのではないかと思うのですが。それについては、またの機会に書きます。

とにかく、facebookというのは、表面的ではあれ、他人とポジティヴな感情を共感できる、ぴったりな場なんですね。ヒトがヒトらしくいれる場だということがわかりました。
 
  
  
にほんブログ村 写真ブログ 風景写真へ
にほんブログ村

|

« フランス人写真家ERIC BENARDの写真集『Marguerite Duras, des journees entieres en Indochine』 | トップページ | JTBのMOOK 『はじめての感動に出会える! 日本の絶景』が出版 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« フランス人写真家ERIC BENARDの写真集『Marguerite Duras, des journees entieres en Indochine』 | トップページ | JTBのMOOK 『はじめての感動に出会える! 日本の絶景』が出版 »