映画『エレベーター』と、閉じ込められた男の現実の恐怖体験
カナダ・トロントの高級マンションでエレベーターに閉じ込められた男の恐怖体験が話題になっているそうです。
エレベーターに閉じ込められたのは、そのときの様子をビデオで撮っていたこの本人と、もうひとりの男がいました。その男が最悪だったのです。
いらいらして扉をたたいたり、扉をこじ開けようとしたり、中で騒ぎ始めたらしいのです。「そのうち救助がくるからおちついて」といってなだめましたが、おさまりませんでした。
結局90分後救助されたのですが、閉じ込められたのでさえ怖いのに、もうひとりの男が騒ぐので怖さが増したと言っています。
エレベータに閉じ込められるという事故は、たまにあると思いますが、普通ならニュースにもならないでしょう。今回の件は、まぁ、映画のような最悪の状態にならないだけマシだったとは言えるでしょう。
2011年のアメリカ映画『エレベーター』というのがあります。これはエレベーターに閉じ込められた9人の人間が極限状態でとんでもないことをやってしまうという、サスペンス(ホラー?)映画です。
「これがデビュー2作目となるノルウェー出身の新鋭スティーグ・スヴェンセン監督が、エレベーターに閉じ込められた9人の乗客たちを待ち受ける戦慄の運命を描く密室サバイバル・スリラー。ウォール街の超高層ビルで、投資会社CEOヘンリー・バートンを含む9人の男女が乗ったエレベーターが、地上200メートルの高さで緊急停止してしまう。突然の事態に動揺しながらも、すぐに解決するものと悠長に構えていた乗客たち。しかし救助の到着は遅れに遅れ、おまけにあと2時間で爆発する時限爆弾の存在が明らかとなり…。」(allcinema参照)
この映画を観ようと思ったのは、閉じ込められた人間がどんなふうになっていくのか?という心理劇を期待したからなのですが、こういうふうになるんだろうなぁという予想通りのストーリーがしばらく展開していきました。
乗客の中に時限爆弾を体に巻き付けたおばさんがいた設定は意外で、その爆弾を処理する方法にいたっては、ここがこの映画のホラー的醍醐味なのかもしれませんが、このあたりから、俺はついていけなくなってしまいました。
でも、もしかしたら現実でも、個人で考え行動することより、団体で考え行動することの方が、極端に走りやすいという心理学的な実験結果はあるらしく、「ありえない話ではないかもなぁ」とも一方では思いました。
カナダでのエレベータでも、冷静に考えれば、何分か我慢すればいいものを、我慢できずに騒いでしまうことは現実に起こってるわけだし、もし、俺が閉じ込められた時のことを考えても、いっしょに乗り合わせた客の中に、この男のように冷静さを失って騒ぎ出す人が乗り合わせたら、俺もブチ切れるような気もします。
そしてそれをきっかけに、騒いだ人を、他の人たちが集団でこてんぱんにやっつける心理状態にならないでもないなぁと思うわけです。俺だけ冷静にいる自信はないです。
「事実は小説より奇なり」というし、最近の「事実」は、ほんとうに「奇」が多くなっているようにも感じるし、映画『エレベータ』のような結末も、あるかもしれないなぁと考えると、薄ら寒くなります。
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