コリアンダー(パクチー)への好みは嗅覚の遺伝子が決め手?
だいぶ前のことになりますが、薬学博士の池谷裕二氏のツイッターに、
「コリアンダー(香菜・パクチー)への好みは遺伝である程度決まっているそうです。この論文→ goo.gl/Q7Jc4I (味覚でなく嗅覚の遺伝子が決め手だったのが意外といえば意外です。確かに噛むとカメムシっぽい香がしますよね。私があの臭さが堪らなく好きです) 」
とあって興味が出て、その論文を見てみました。
なぜこの記事に反応したのかというと、以前、パクチー(コリアンダー)は、「高収入者に好きな傾向がある」という説を読んだことがあったからです。
そんな馬鹿な、とその時思いました。「収入」というより「食べる機会の多少」が関係しているのではないかと思ったのでした。俺もそうだし、俺の周りの人にもパクチー好きが多いですが、みんな低所得者だし。当てはまらないなぁと思っていました。
でもこれはDNAレベルの話だったんですね。
「嗅覚受容体遺伝子の近くに遺伝子変異体は、コリアンダーの好みに影響」という研究。
「これらの結果は、コリアンダーの味覚に遺伝的要素があることを確認し、コリアンダーの嫌悪が嗅覚受容体における遺伝的変異から生じることを示唆している。 私たちは、嗅覚受容体遺伝子のクラスターの1、多分OR6A2は 、ヨーロッパの集団でコリアンダーから石鹸臭いの検出に貢献する嗅覚受容体であり得ることを提案する。」
google自動翻訳なので、変な日本語ですが、内容はだいたいわかります。
コリアンダーの香り(匂い)が「石鹸臭」と表現されていますが、つまりこういうことですか?
「嫌いな人は、石鹸臭がするようになる嗅覚受容体を持っているので、食べると石鹸臭がしている」と解釈できそうです。
もしそうなら、俺はパクチー好きなので、嫌いな人とは別な香りを感じているということになるのでしょう。
それでようやく、嫌いな人たちの異常なまでの嫌い方がわかったような気がします。もともと、パクチーには「石鹸臭」を感じてしまっているわけですからね。これを「おいしい」と感じるわけがないんです。人によって好き嫌いがはっきり分かれるのもわかります。
パクチーの和名は「カメムシソウ」ですが、嫌いだと言っていた知人がよく「カメムシの臭いがする」と言っていたのを思い出します。大げさだなぁと思っていたのですが、その人にとっては、「カメムシの臭い」そのままだったわけですね。疑って申し訳ありませんでした。
これってけっこう刺激的な内容ですね。同じ食品を食べても「同じ香り」を感じていないということであれば。パクチー以外の食品でもそういうことがあるんじゃないかと思ってしまいます。
今までも「こんなにおいしいのに、どうして嫌いなの?」という場面に出くわすことがありましたが、意外と問題はここだったりして。
これは衝撃的は話だと思うのですが、そんなふうに思うのは俺だけでしょうか? けっきょく人の感覚は人それぞれだという単純な話でもあるかもしれませんが。
またパクチー栽培に挑戦しました。
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コメント
あのんさん
コメントありがとうございます。
「高収入者」という説は、私も違うと思います。
子供のころからパクチーがあって、慣れ親しんでいるアジアの国の人たちと、最近口にすることが増えた日本人とでは、条件が違うのでは?とも思いますし。
日本人が「いい香り」と思っているマツタケの香りも、欧米人には「かび臭い」ということもあります。
今回のニュースはそういう慣れとは別に、DNAという話(しかも味覚ではなくて嗅覚)なので、意外で面白いなぁと思っています。
投稿: あおやぎ | 2015/08/31 13:52
高収入者に好きな人が多いと言うよりは、口が肥えてるかどうかでしょう。
食べる事が好きな人の味覚って、新たな物を食べるとそれがベースになってしまって、もっとアレンジした物を欲してしまうと言うか。
食べた事のある物って舌は忘れないんだよねぇ、ある意味人間ってすげえなと。
投稿: あのん | 2015/08/31 02:13
パクチーの好き嫌いは「味」なんだろうなと思っていたのが、「匂い」だと知って意外に感じますね。
アスパラ食べたあとのおしっこの匂いはわからないので、俺は匂いに鈍感だと思います。
でも、鼻をつまんで食べ物を口に入れても、味がわからないという経験はあります。風邪をひいたとき鼻が詰まっていておいしく感じないことも。
臭い匂いの中で、「おいしい食べ物」を食べて、どう感じるか実験したら面白いと思いますねぇ。
投稿: あおやぎ | 2015/02/24 11:57
あれですよ
アスパラガス食べたらおしっこが変なにおいと感じる人がいたり、まったく気づかない人がいたりするあれですよ
投稿: あれですよ | 2015/02/24 06:13