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2015/01/11

食品異物混入の「情報」と「感情」が完璧にコピーされて伝わること

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異物混入事件が増えています。いや、むしろ昔に比べたら、管理もしっかりされて少なくなっているのではないでしょうか。

多くなったように錯覚するのは、ネット社会になって、「情報」と「感情」がすぐネットで拡散するからです。しかもその「情報」も「感情」も、完璧にコピーされたものです。

昔は、もし異物が出たら、店と当人の話し合いで、菓子折りなんかもらって終わり、ということでした。

実際俺も、スーパーで買った紙パックの飲み物に、カビの塊のようなものが入っていたのでよく見たらパックの角に穴が開いていたことがあって、店にもっていったことがあります。そのときも菓子折りで終わりでした。

この話を友達にしたかもしれませんが、その友達がさらに別の友達に伝えるなんていうことはなかったと思います。「情報」と「感情」は自然消滅してしまったのです。

こんなふうに、異物混入のトラブルも、昔なら、口コミで広がる以外にはなく、人から人へ遠方へ伝わるにつれて、情報の内容もあやふやになるし、感情は薄められて、そのうち消えてしまったのです。

そもそも体によほど害になるものでなければ、いちいちクレームなんかつけませんでした。

ところがデジタル社会では、オリジナルの「情報」と「感情」が完璧にコピーされて伝わるわけで、どんなに離れていようと、時間が経とうと、その生々しさと怒りは残ってしまいます。薄まっていかないのです。

ネットでは異物混入の話題で、まるで自分のことのように怒っている人たちに、「あなたの周りにそういうトラブルに遭った人がいるんですか?」と聞いたら、ほぼゼロではないでしょうか。遠方の誰だかわからない人の情報で怒っているわけです。

異物混入は食品会社にあってはならないことだし、原因を突き止め、ゼロにする努力はしてもらわなければなりませんが、完璧になくすのは不可能です。

だったら、俺たちはどうすればいいんでしょうか。

まず冷静になるしかないでしょう。過剰反応することで、日本全国すべての食品が危ないようなイメージを作るのは迷惑な話です。

安心して、おいしく食べられなくなるのはそのイメージを作ってしまうからです。そのことは、異物混入以上に不幸なこと。自分で自分の首を絞めるようなことはバカらしいことです。

「話題」になるからといって、そういうことをネットで公開したり、マスコミに知らせるのは、自分では「いいこと」「正義」をしているつもりなんでしょうが、迷惑な部分もあります。店なり企業なりと個人的にやり取りすればすむ話なんだから。

まぁ、そのうち異物探しも飽きてしまうでしょうが。いつものことです。

ただ、発見されるケースが多くなり、公になるのもネット社会だからで、企業、店側に緊張感が生まれ、再発防止に役立つという側面があることは俺も認めます。
 
 
 
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