タイのオネエの日本人専門詐欺で3億円の被害
このニュースを聞いて驚きました。
タイで日本人男性ばかり狙う詐欺 被害総額は3億円超か
(livedoor NEWS http://news.livedoor.com/topics/detail/9725927/参照)
こういう古典的手口、まだあるんですね。
実は俺も30年前バンコクで、この手の詐欺師に2回遭遇しています。今回のオネエは「寸借詐欺師」らしいです。俺の場合、もっと手が込んでいたようですが、未遂で済んだので、真の被害がどうなるかはわかりません。
今回逮捕されたオネエは昔、日本人の男とある島に行ったとき、一人置いてけぼりにされた、ひどい目に遭わされたので、その復讐のために日本人をだまし続けたという動機(?)をしゃべっていましたが・ ・ ・。
これは嘘でしょうね。いや、もしかしたらそういう体験は実際あったかもしれませんが、主な動機ではないと思います。動機は、「バカな日本人は騙しやすい」というだけでしょう。
俺の場合はこうです。
手口と対策を参考までに書いておきます。(30年前の話がまだ参考になるというのは驚きですが)
バンコクの中心街を歩いていると、一人のオネエ(あるいは本物の女性?)が近づいてきます。2回とも外国人を装って英語で声をかけてきました。
「すみません。あなたタイ人?」
ここでタイ人?と聞いてくるのが巧妙ですね。彼女は当然俺が日本人だと知っていてあえて「タイ人?」と聞くのです。そのことは後で知ったわけで、この時点ではわかりません。
それで俺は、
「いいえ、日本人です」
と英語で答えました。すると彼女は、
「そうですか。私も外国人なんです。シンガポールから来ました。私、タイは初めてなんですが、ここへはどうやって行くんでしょうか? わかりますか?」
と、地図を見せて、どこかを指しました。俺もバンコクは2回目くらいで詳しくないので、
「ちょっとわかりません」
と答えました。
「そうですか。ありがとうございます。ところで、これからどこへ?」
と聞かれたので、
「食事でもしようかとレストランを探しているんですが」
「良かったら私の知っているレストランへ行きますか?」
と聞いてきたのです。俺も当時は若かったし、下心が無かったとは言えず、
「いいですね。そのレストランはどこですか?」
と聞いたのです。すると彼女は、
「ツクツクで行きましょう」
と言いいました。俺はまず場所を知りたかったので、
「この地図のどのあたりですか?」
と、地図を示したのですが、彼女は、
「とにかくツクツクに乗りましょう」
との一点張り。このあたりから俺は「あれっ?」と怪しみ始めました。車に乗ってしまったらどこに連れていかれるかわからないので、断り続けました。
すると彼女は無理やり俺をツクツクに乗せようとしたので、「これは何かやばい!」と思って、走って逃げました。
これが1回目。
そして翌日、まったく同じような手口の詐欺師に遭遇したのでした。もちろん、前日とは違う詐欺師です。
俺は「ははぁ、こういう手口がはやっているんだな」と気がつきました。それで俺は騙されたふりをしてみようと思ったのです。
昨日の詐欺師と同じような展開になって行き、「私の知っている店に行きませんか?」と聞かれたとき、「いや、あそこで食事するつもりだったので」
と、俺はとっさに、近くにレストランがあったので、そこを指差しました。そしたら彼女の表情が少しイラッとしたようですが、俺はそれにはまったく気がつかないふりをして、彼女といっしょに食事ができる嬉しさを演技し続けました。
「わかりました。あそこで食事しましょう」
と、彼女は乗ってきました。
食後、彼女は、「これを見ててくれますか?」といって、わざわざ自分の財布を俺に預けて、トイレに立ったのでした。たぶん、これは俺を信用させよう思った行動なのでしょうが、初対面の人間に財布を預けるなんて不自然です。彼女も、このあたりはいつもの展開ではなくなっていたので、あせっていたのでしょう。それでとっさに考え付いた方法だと思います。
トイレから帰ってきた彼女は、
「ありがとう。あなたを信用していたから財布を置いていったの」
などと、聞いてもいないことを彼女は俺に言いました。
「これから私の知っているレストランに行きますか?」
と聞いてきました。
「おなかいっぱいですが、いいですよ。ぜひ行きましょう」
と俺は笑顔で言いました。
支払いは彼女がやってくれました。
レストランの表に出たら、昨日とは違って、黒塗りの車が止まっていて、彼女は、
「これで行きましょう」
と言ったので、
「えっ? これで? 嫌ですよ」
俺が拒むと、腕を取って、無理やり乗せようとしたので怖くなり、彼女の手を振り払って逃げました。罵声がしたので振り返ったら、なんと車から怖そうな男が降りてきて、彼女と二人で、俺に向かって何かを叫んでいました。俺は「バイバイ」と叫びながら走って逃げました。二人は激怒していたようです。
という体験です。
参考になりましたか? なりません? 詐欺師を騙した俺も詐欺師なんでしょうねぇ。いずれにしても時効ですが。
俺の場合、グルの男が車で待っているなど、かなり危険な状況だったのだと後で知ったわけで、詐欺師を騙そうなどという気は起こさず、詐欺師に会ったら、即、立ち去った方がいいですね。
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