東北お遍路(こころのみち)巡礼2015 (18) 宮城県気仙沼市「紫神社」&「みちびき地蔵」&「早馬神社」
宮城県気仙沼魚市場の2階見学デッキは、昔と同じに開放されていました。でも、水揚げ量はまだ100パーセントは戻っていません。フカヒレを取るサメや、カジキマグロ、本マグロが水揚げされて、セリにかけられているところはかつての活気が戻りつつあるのかなと感じさせます。
港に面した南町は気仙沼で最も古い歴史を持っているところで、東北お遍路の「紫神社」があります。津波で流された若い店主たちが中心となって、気仙沼復興商店街である南町紫市場をオープンしています。
車は観光駐車場に停めて、フェリーに乗って大島へ向かいます。
大島も震災前に訪ねたところです。フェリーの着く浦の浜漁港は、ひなびた感じがなんともいえない味があって、好きなところのひとつでした。今は、更地になって、仮設の建物がいくつか。
この大島にも東北お遍路の巡礼地に選ばれた「みちびき地蔵」があります。浦の浜から歩いて30分くらいのところです。みちびき地蔵には津波被害者の伝説があり、テレビ『まんが にほん昔ばなし』でも放送されたことがあります。
大島住民の信仰を集めてきた地蔵堂は、津波で流失し全壊しましたが、再建されました。
港に戻り、スーパーで手作り弁当を買ってベンチで食べました。暑かったですが湿気がないし、風もときどき吹いてくるので気持ちがいい。いろんなおかずが詰め込まれていてボリューム満点。「男の弁当」という感じがします。復興に携わる男たちが買い手なんだろうなと思いました。
次の日の朝は、気仙沼の市場をもう一度見学し、唐桑半島にある早馬神社に行きました。
「東日本大震災復興祈願碑」が立ち、今回のような犠牲者が出ないことを祈願して「大津波到達点 子々孫々語り継げ」と、また上の方には「大津波浸水高さここまで」と刻んであり、津波の高さと恐ろしさを伝えています。
今回は15mの津波が押し寄せ、神社境内には2.2mの浸水。唐桑町宿浦地区で残ったのは、この神社だけ。周囲300mはすべて瓦礫と化しました。
境内には十数人が逃げてきましたが、津波が最初の予報6mのよりも高かったので、さらに階段を上って逃げました。そこでしばらく暮らしたそうです。
境内に車は6台避難していていましたが、引き波で持っていかれました。それでも、大理石の馬の像だけは無傷だったでした。新品と思えるほど無傷なのです。震災当時の写真も展示してありますが、たしかに、馬の像は、倒れもせず、無事な様子がうかがえます。これは奇跡ですね。
漁業者は、今回の津波で大打撃を受け、やめようかと思ったところ、全国のボランティアの人たちの助けや応援もあって、また再開することを決心したそうです。
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