東北お遍路(こころのみち)巡礼2015 (22) 岩手県田野畑村「しまのこし駅」&「宝福寺」&北山崎&番屋群
宮古市の田老の山の中に小田代冷泉というところがありました。
こんな先に温泉なんかあるんだろうかと思える山道を行くと、途中桃源郷のような、花がきれいに咲いている集落を越えていくと、ありました。秘湯と言えばここも秘湯です。
風呂場を覗いたら、石鹸やシャンプーといった備え付けのものがないらしく、持参しなければならないことがわかりました。シャンプーを取に戻ろうと服を着始めたら、風呂上がりのおじいさんが「これ使っていいよ」と自分の石鹸箱を差し出しました。「でも、もう出るんでしょ?」と聞いたら、「使い終わったら、そこへ置いてくれればいいから」と言いました。せっかくなので借りることにしました。地元の人で常連さんらしい。
湯船は5人が入れるかどうかといった感じでしたが、つるつるした泉質は肌に良さそう。久しぶりで石鹸で髪を洗う経験もすることができました。おじいさんありがとう。
田野畑村の「カルホナード しまのこし駅(三陸鉄道)」は新しくなって再オープンしています。駅舎の中には、復興関連の展示室と、反対側には土産物屋があります。田野畑アイスもなかを買いました。
駅員のおばさんは「寒いから待合室で待っててください。電車が来れば合図が鳴るから」といいました。待合室には暖房が入っていました。そこでアイスもなかを食べ終わった時、ちょうど1両編成の宮古行がやってきました。住民が再開を喜んだ鉄道は復興のシンボル的存在です。
田野畑村のもう一つの巡礼地「宝福寺」も、海そばにあると思い込んでいて、探し回って見つからず、ある駅で尋ねたら、寺は役場の隣にあることがわかりました。海から一気に山へ上っていきます。このあたり起伏がはげしいですね。
北山崎は巡礼地には入っていませんが、三陸観光のハイライトです。荒々しい断崖絶壁は、三陸リアス式海岸の代表的風景です。日本離れした(いや、本州離れした?)雄大さがあります。
北山崎の南4kmのところ、机浜に番屋群があります。妙にこの番屋群にひかれました。
インフォセンターには、番屋群の歴史やジオラマなどが飾ってあります。「机」は、アイヌ語で、「ツク・エツ」(小山の・岬)というのが由来。昭和4、50年代になると、車道が整備され、納屋としての機能が失われ、廃屋化も進んでいきました。
2006年、水産庁の「未来に残したい漁業漁村歴史文化財産百選」に選ばれ、保存も順調に進んでいたと思ったら、今回の津波で失われてしまいました。また番屋が再建されたのは去年のことです。
なるべく、形、配置を同じに再建したそうです。体験学習なども行われる施設になりました。
事務所の人に、東北お遍路(こころのみち)巡礼地のことを話しました。ぜひ巡礼地になってほしいと、個人的には思います。
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