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2015/06/30

セクハラ、パワハラ、モラハラ、マタハラ、カジハラ、トシハラ、オワハラ、エイジハラ・ ・ ・そしてブラハラ

150630(夢で見た採血シーン。痛くはありませんでした)
 
 
「××ハラ」花盛りの昨今、セクハラ、パワハラ、モラハラ、マタハラ、カジハラに加えて、以前、「トシハラ」について書きましたが、内館牧子脚本、武井咲主演のドラマ『エイジハラスメント』というのが7月から放映されるそうです。

これをハラスメントと捉えた内館さんの感覚には共感できます。でも、ドラマは観ないでしょうが。

ただ俺の言う「トシハラ」と「エイジハラスメント」では、同じ年齢の嫌がらせでも意味が違います。「トシハラ」は「年齢を聞かれる」そのこと自体がハラスメントだと思っているので。

最近は、「オワハラ(就活終われハラスメント)」といのも現れたそうです。
 

そして「錯覚の科学」を読んでいて「ブラハラ(ブラッドタイプ・ハラスメント)」という言葉を知りました。

これは血液型性格判断の「血液型嫌がらせ」です。これについても以前書いたことがあります。

 日本では、どうして血液型で診断する性格で盛り上がるのか? それは「信仰」と考えると理解しやすい(2010/01/25)

血液型性格判断を、たんなる「お遊び」として笑っていたのですが・・・。

いや、「お遊び」として笑って見過ごすところにこそ、差別のやっかいさがあるのかも、と「錯覚の科学」を読んで気づかされました。

現在、血液型と性格には、科学的には関係は無いと判断されています。にもかかわらず、日本では、約4割ほどの人が「関係がある」と信じているという結果です。これは疑似科学というものです。

ただ、俺は「疑似科学」ではなく「信仰」や「宗教」と考えた方が理解しやすいのでは?と思っています。

1900年、ラントシュタイナーによってABO型(当時はABC型)血液型が発見されました。日本でもこの科学的知識が紹介され、1927年には古川竹二氏によって『血液型による気質の研究』という本がでて、一種のブームになりました。血液型は最先端科学的知識だったからです。

昭和初期の新聞見出しには、「外交官に血液の資格「O型に限る」と建白書」とか「履歴書の一項に「血液型」を追加」なども見られたくらいです。

19世紀前半、「骨相学」というのが欧米で大いに流行しました。頭蓋骨(アタマの形)で、人間の気質や精神といったものが判断できるという説です。

いまでは、何を馬鹿なと思うでしょうが、たぶんみんなまじめに信じていたんだと思います。「骨相学」は当時は最先端の「科学」だったのだから。つまり、このときの血液型と同じ状況です。

その後、軍部が兵隊を適所に振り分けるために血液型性格学が研究されましたが、結論として、血液型と性格には関係が無いと結論されました。

でも、1971年に能見正比古氏によって『血液型でわかる相性』という本が出て血液型性格学がブームになり、この影響が現在まで続いているようなのです。

ちなみに血液型と性格に関係があると思っているのは、東アジアだけだそうで、世界的にはまったく興味をもたれていません。

俺も以前は、××型だろうと思って聞くと当たっていた経験もあって、関係があると思っていました。でもそれは当たったときだけ覚えている錯覚だと気がついたのでした。

そんなこともあるので、俺もえらそうなことは言えないのですが、この血液型性格学が、お遊びとしてなら、実害はないのでしょうが、実際に、とくにB型、AB型は嫌な思いをしている人が多く(A型もO型も同じだと思いますが)、友人関係や就職や職場の配置転換にも影響している例もあるそうで、こうなると、「嫌がらせ」と言うより「差別」と言ったほうがいいかもしれません。

笑って済まされる話ではなくなります。いや「笑って済まされる」レベルに見えるからこそ、ここに「差別」があるとは気がつきにくいのです。

いかにも血液型という科学的なものを使って、科学を装っているので、騙されやすいのでしょう。これは過去の「骨相学」もそうだし、もしかしたら現在の「DNA」などもそうかもしれません。

Wikiには、「骨相学の志向は、ロンブローゾの生来的犯罪人説のような犯罪の素質論(犯罪を犯すか否かは当人の素質に左右される)から、優生学や人間改良思想へと展開していく。これは断種論(特定の人種を断つことを目指す)の背景にもつながる危険を持っていた。」

頭蓋骨の形、血液型、DNAといったものは、人間を「分類」「差別」するにはいい(便利な)道具です。使われているのが「科学的」な指標だからです。でも、それを使う人間が「科学的」な判断をしなくなったとき、これは恐ろしい方向へと向かっていくということなのでしょう。
 
 
 
 
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