犬と見詰め合うのは、威嚇ではなく、愛情という研究結果のニュース
犬に関しての興味深いニュースがありました。
愛犬と見つめ合ったら…… 愛情ホルモンで絆が深まる
(Nifty Newshttp://news.nifty.com/cs/magazine/detail/diamond-20150529-71661/1.htm参照)
この記事によると、
「従来、犬の社会性の基本は、共通の祖先種にあたるオオカミに似た「順位付け」にあるという説が有力だった。しつけ本でも「飼い主をボスと認識させ、服従させる」ことを勧める記載は多い。しかし近年、犬=オオカミというイメージは間違いで、むしろ犬の「心のありよう」はヒトに近いことがわかってきた。たとえば、一般的に動物のアイコンタクトは「威嚇」のサインであるのに対し、ヒトと犬の見つめ合いは「愛情」のサインだ。お互いが相手の目に浮かぶ感情に応えることで、一方的な支配-被支配関係とは違う双方向の絆を生みだす。」
だそうです。
俺も前から、「飼い主をボスと認識させ、服従させる」というしつけに疑問で(失敗しているだけなんですが)、本当にそうなのかな?と思ってきました。
そもそも、犬のしつけの仕方が、西洋的すぎるのではないかなという思いもありました。「動物を支配する」という考え方ですね。(この「動物」には、ある種の「人間」も含まれるんですが、その話はおいといて)
明治期に日本に来た外国人が、日本人の動物(家畜)に対する態度を「甘やかしている」と表現しています。動物(家畜)は、人間がちゃんと支配し、管理するもので、人間とは完全に区別されるものだ、という考え方は、キリスト教的と言ってもいいんでしょうか。
とにかく、この思想が輸入され、犬のしつけの仕方についても、西洋式が疑いも無く続けられてきたということなのでしょう。
俺がビーグル犬ヴィーノと暮らし始めたのは、今から7年ほど前で、しかも、当初は、消極的に暮らし始めたということがあって、けっして犬については詳しい人間ではありません。(咬まれるなど、マイナスのことでは詳しいですが)
そんな俺でも、ヴィーノと暮らし始めてみると、いろいろわかってきます。しつけの本を参考に試してみたり、ドッグスクールにも3、4ヶ月通ったこともあります。でも、なぜかうまくいかなかったし、違和感も覚えました。いつのまにか自分自身に「しつけができない駄目な飼い主」という意識が芽生えました。
半分は当たっているでしょう。でも、半分は間違いかもしれません。自分が試行錯誤する中から感じてきたものは、正しかったのではないか、と、この記事を見て思ったのです。
しつけの本には「目を合わせたとき下位のものが目をそらす」とあったのですが、ヴィーノは、目をそらさないのです。子供のころからそうでした。俺はこの本を信じていたので、「ヴィーノが俺の上位だと思い込んでしまったんだろう」と考えました。
だから、ヴィーノと目が合ったときは、なるべくそらさないで、ヴィーノがそらすまで見続けようとしました。それが俺が上位になるためのしつけだと思っていたからです。
でも不思議だったのは、いつもヴィーノの目から感じるのは、「上位・下位」とか「服従」とか「威嚇」とかいう感情ではないのです。
妻からも「二人で見詰め合ってどうしたの」などと言われることも多いのですが、ヴィーノと見詰め合うのが、むしろ、「いい感じ」であり「気持ちがいい」のです。
記事には、「見つめ合うと、愛情ホルモン「オキシトシン」の分泌が双方で高まり、絆が強まるようだ。」とあります。俺の今までのヴィーノとの暮らしの中から体験的に思うに、この研究結果はすごく説得力がありますね。
そして肩の荷が下りたような気もします。けっしてしつけに失敗したわけではないと。西洋式しつけが、もしかしたら間違っていたのかもしれない、とさえ思います。
もっと日本人に合った犬のしつけ(「しつけ」というのがそもそも上から目線ですが)があってもいいのでは?と思います。
新しい犬との付き合い方が始まるような予感がします。
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