(高知県梼原町 神在居の棚田 10月)
(高知県梼原町 神在居の棚田 5月)
日本の地方の風景・文化に興味を持って撮影を続けてきた身には見逃せないドラマです。
「高野誠鮮の『ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?』を原案とし、消滅寸前の限界集落を立て直すために改革を巻き起こす「スーパー公務員」の奮闘を描く。」(Wikiより)
原作の舞台は石川県羽咋市神子原地区ですが、ドラマ『ナポレオンの村』の設定は東京都星河市神楽村になっています。架空の市です。
ロケ地はどこでしょうか。そんなに急峻な斜面ではないところに棚田もしっかりあって、伝統的な日本家屋も見えました。
ネットを検索するといろいろと情報が出てきます。どうもロケ地は千葉県鴨川市らしい。大山千枚田がある市ですね。その曽路地区というところ。それと初回クライマックスの祭りのシーンは、東京都の道志川沿いにある「このまさわキャンプ場」付近だったようです。
第1話は、市役所職員浅井栄治(唐沢寿明)が新しい赴任地へやってきます。限界集落といわれている村で、伝統工芸の和紙に目をつけて、祭りを盛り上げようとしますが、村を消滅させてしまおうともくろむ市長や事なかれ主義の市役所職員の妨害があり、村人も村人で、どうせやってもまた失敗すると冷ややかな反応でした。でも、浅井の熱意で村人を動かしていきます。クライマックスの祭りでは和紙を使ったスカイランタンが夜空を舞いました。
村人にとっては普通のものでも、外の人間にとっては宝の山だったりします。ドラマでは徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」 の話も出てきました。これも『人生、いろどり』という映画になっています。
高野誠鮮さんだけではなく、全国には、アイディアを持った公務員や熱意のある公務員がたくさんいます。
2000年、棚田百選を訪ねて高知県檮原町へ行ったときです。梼原町役場で、ここは全国でもはじめて棚田のオーナー制度ができたところと聞きました。
棚田のある神在居は当時、12、3戸の集落でした。後継者が町外に出てしまい、高齢化していくなかで、田んぼを守る人たちが減っていました。
平成2年と3年、農水省と交流人事があり、そのとき、農水省から青山さん(肩書きは忘れてしまいましたが)という人がきました。青山さんは田んぼを自分で作ってみたそうです。そして思いついたんですね。
「地元だけでは田んぼを守っていけないだろうし、都市の人は農業をやってみたいと思っている人がいるので、田んぼを貸し出す制度を作ってみたらいかがですか?」
と青山さんが提案したそうです。
「こんな田舎に誰も来ないのではないですか? 不便だし、何もないところだし」
と職員がいうと、
「都市の人は田舎の不便さをわざわざ求めてくるんだから大丈夫です」
といったそうです。青山さんも外の人間だったからわかったのではないでしょうか。
オーナー料は、1区画100平方メートル、40010円に決めました。「四万十川」の「しまんと」にかけたわけですね。
そしてオーナー制度の記事が朝日新聞に載った日、問い合わせが多くて役場の電話の呼び出し音が鳴り止まなかったそうです。すごい反響でした。
現在オーナー制度は全国の棚田で採用されるようになっています。

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