「露空港に日本人:「偽りの土地に帰りたくない」 男性2カ月生活」のニュース
このニュースを聞いたとき、数年前の話を思い出しました。また現れたかぁと。
露空港に日本人:「偽りの土地に帰りたくない」 男性2カ月生活
(毎日新聞 http://mainichi.jp/feature/news/20150801mog00m030012000c.html)
どうもこういう人、興味があるんですよね。
安部公房の『箱男』を思い出します。主人公は箱に入ったカメラマンだったと思いますが、状況は違いますが、隙間から世間を見ている人間という意味で、同じような匂いを感じるからです。
数年前の話というのは、メキシコへ行ったはいいけどお金が尽きて空港に住み着いたという日本人、ノハラさんが、「捨て猫」のように現地のみんなに親切にされながら暮らしているというものでしした。
当時書いた記事はこちら。
俺は、これについて「ホームレス 外国でやれば 文化人」と揶揄しました。批判したつもりはなかったのですが。むしろ俺もやってみたいくらいです。
「隙間で暮らす」こと自体はユニークで面白いと思いますが、今回のアボさんの目的(言い訳)がおかしい。というより嘘っぽい。
「嘘ばかりの日本には戻りたくない。ロシアに亡命したい」ですと?
この言い訳は取ってつけた「嘘」の可能性が高いでしょう。こういう、いかにもな言い訳を語りだすと、とたんに陳腐になってしまいます。
「ホームレスをしてみたかった」と堂々と言えばもっと賞賛されるはずなのに。文化人として。
俺もこんな状態が実現したことがありました。10年ほど前、俺と妻も2日間だけ、ロシア空港の「ロシアではない場所」で暮らした(足止めされた)ことがありました。飛行機が遅れて、テヘラン行に乗り遅れ、ロシアのビザがないので、ロシアにも入れず、テヘラン行が出るまで空港(実際は空港から離れていましたが)のホテルに缶詰状態でした。
このときは本当に「隙間で暮らす」ことになっていました。理屈上は、どこの国でもなかったのです。それに気が付いた時、なんだかとても自由を感じました。「社会」から透明人間のように消えてしまったような痛快さがあったのです。
ところでアメリカから追われるスノーデン氏もこのロシアの空港の隙間で暮らしていたはずです。
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