「ワンダーラストという旅の病」と「棚田病」
先日、ワンダーラストという病について書きましたが、似ている病としては、「棚田病」とか「白い病」とかいうものもあります。
棚田病についてはこちらに書いています。「棚田病とは?(2006/09/27)」
また「白い病」というのは、一度南極へ足を踏み入れた者は、また南極に行きたくなるという病だそうで、科学界のインディ・ジョーンズと呼ばれる生物学者の長沼毅氏のインタビューで知った病です。
いずれも、それをしないと精神的におかしくなるほどの状態、好きすぎてどうしよもない状態ということです。それを「病」と表現しています。
これらの病がワンダーラスト同様DNAに関係しているかどうか、研究した人もいないだろうし、まだ謎ですが、ただ、かなり心の深いところの「何か」と関係しているのでは?という直感があります。
そのことについては、先日「旧暦棚田ごよみ」の製作スタッフと食事したときにも話題になって、その直感は俺ばかりではなく、実際棚田を作っていて重度の棚田病であるスタッフたちも感じているものでした。
ユング心理学でいうところの、個人の無意識のさらに奥にある人類共通の「集合的無意識」からのメッセージとも解釈できるかもしれません。「集合的無意識」というのが、つまり遺伝子に刻み込まれた人類共通の「記憶」なのかもしれませんが。
たとえばアジアの国の棚田で欧米人と会ったとき、棚田の風景を見て「癒される」というのを聞いたとき、なぜだろう?と思ったのです。俺たち日本人なら、それは子供のときの原風景だからだろうと思うのですが、棚田に縁遠い彼らもそう感じるのが不思議だったのです。でも、これも「集合的無意識」に関係するのであればわかりやすい。
人間が意識できるのは、氷山の一角でしかなく、ほとんどは無意識にうごめく「渦」のようなものが、人間を動かし、人間に感情を与えているようです。
無意識からのメッセージが意識されたものが「夢」であるのと同じように、無意識からのメッセージを、わかりやすい形として意識したのが棚田なのかもしれません。
だとしたら、そのメッセージとは何なのか?
夢もそうですが、その人が「変わらなければならない」「変わりたい」ことを暗示するという場合もあるようです。「これではいけない」という危機感かもしれないですね。
この無意識からのメッセージを、効率が重視され、自然から離れ、都市化した人間への警鐘と捉えるのは、うがちすぎと言われるかもしれませんが。
実際俺も、本当は何なのかよくわかりません。ただ、棚田の風景に立つことは気持ちがいいということを意識できるだけです。確実なのはそれだけ、今のところは。
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