2015年秋の撮影旅(19) 長野県長野市西部の桜の棚田、中曽根の棚田、「鎧田」
長野市西部は棚田が多いところです。桜の棚田、中曽根の棚田、「鎧田」などなど。
雑誌のインタビューを受けたのは、雄大な風景の「桜の棚田」を目の前にしながらでした。時間を決めてあったので、景色のいいところでと思って30分ほど前に行って写真を撮りながら電話が来るのを待っていました。
風景は人の言葉にも影響は与えるのではないかと思います。いい風景の中では、いい言葉が浮かぶと。
桜から北にある「浅川ライン」沿いの棚田で写真を撮っていると、「これ食べてみない?」と言ってリンゴをくれたのは、近くで仕事をしていたリンゴ農家の奥さんでした。
旦那さんと息子さんの3人で、リンゴの木の下に銀色のシートを敷いて、下からリンゴに色付けをするそうです。
リンゴもまもなく収穫ですが、その日は、棚田では稲刈りでした。
「これ持ってく?」と言って、さらに5個もリンゴを持ってきてくれました。大玉です。
長野県生まれの「リンゴ3兄弟(姉妹?)」と呼ばれるオリジナル品種、「秋映(あきばえ)」、「シナノスイート」、「シナノゴールド」というものがあるそうで、もらったのは「シナノスイート」でした。
こんな風景がまだあるんだなと嬉しくなってしまうほどの良い棚田でしたが、半分はまだ緑色。なんでも今年は事情があって田植えが遅れたとのこと。例年なら全部が真っ黄色で稲刈りするはずなんですが、と教えてくれた。
「あそこに青い屋根の家が見えるでしょ? 昔はお城だったらしいんです。それと関係があるのか、この田んぼを地元では「鎧田」と呼んでいます」
「掘ったら小判が出てくるんじゃないんですか」と冗談を言ってみました。
俺はお礼にと言って、「旧暦棚田ごよみ」を渡しましたが、
「お礼なんていらないですよ」
と言って受け取った奥さんは全く興味がなさそうで、本心からいらなかったようです。まるで押しつけたみたいになってしまいました。
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