2015年秋の撮影旅(25) 山形県村山市中沢の棚田、山形市蔵王駒鳴、蔵王山田の棚田、大石田町大浦の棚田
今回山形県は通過地点でしたが、すでに先月掲載した朝日町椹平の棚田を含めて、何ヶ所かの棚田を急いで周りました。
ちょうど稲刈りが始まり、稲杭が立てられたところもありました。
なるべくたくさん棚田を周っておこうと思うのは、時間との勝負だなと思うときもあるからです。山形県のこれらの棚田はまだ大丈夫でしょうが、日本全国の名もない棚田は、人に知られることもなく、静かに消えているところもあります。高齢化が進んで耕作放棄される棚田が確実に増えているからです。
だから棚田の撮影は、「自己表現」などというものではなくて「記録」という価値のほうがずっと大きいということは自覚しています。
人間の営みの象徴的な形としての棚田を記録するということは、とりもなおさず、日本文化の一時代の記録にほかなりません。TPP締結にかかわらず、日本の田園風景は確実に変化していきます。それが「いい」とか「悪い」とか判断することはできませんが、淡々と記録するのみです。
人間と自然とがいっしょになって作り上げた文化的景観は、「姫路城」や「日光東照宮」などの文化遺産と比べると目だたない存在ですが、だからこそ記録しておく人間がいてもいいのではないか、などと思うようになりました。
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